賃金の決定にあたっては、やはり場当たり的なものでは困ります。きちんと管理を行うとことが必要なのですが、この賃金管理の目的は次の二点です。
A.人件費のトータルな(生涯賃金の)コントロールを行う。
B.合理的な賃金の序列(配分)管理を行う。
この目的を果たすため、従来は「賃金表」というものを設計し使ってきました。この賃金表の作成には、現状分析から始まり、細かい数値配分計算やシミュレーションを行うなどの技術的なことが必要となります。
しかし実はこの二点は、従来型の賃金表を使わなくてもうまくコントロールができるのです。
・A.については、基本給に下限と上限の管理(等級別もしくは職階別に賃金の下限と上限を設ける=等級別レンジ給)をきちんと行うことでコントロール可能です。これは上限に達するまではどういう昇給ルートを辿ってもよいというしくみで、一般の賃金表のように細かい段階を設定する必要はありません。これはベアも込みで考えます。
・B.については、能力給を賃金表のように細かくきざむのではなく、等級別に定額の賃金(1等級なら10000円、2等級なら20000円というように)を設定し、それで序列の管理を行います。基本給ではこの序列管理は原則として行いません。基本給が管理するのは等級別の上限と下限だけです。
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