オールドタイプの人事制度

 人事制度というのはその時々の社会環境を反映するため、常に移り変わっています。ここ数年、人事制度の流れはオールドタイプとニュータイプに分かれてきました。どちらが優れているのかどうかの判断はできませんが、企業のあり方は確実に異なります。
 オールドタイプというのは、ピラミッド型の組織や社会体制で有効であったノウハウや実証されたスキームを志向するものです。能力等級制度、集団管理、時間を軸とした賃金管理、モデル賃金、職能給、人事考課、職階制、役職制、定年などなど。つまり統制や秩序を維持する方向で作られたものはこの範疇になります。

 例えば次のような発想やスタンスはオールドタイプといえます。
・何らかの等級(ランキング)制度が必要と思う。(能力、職階、役職など)
・能力主義を実現するためには能力基準を設定する必要がある。
・いかにして正確に能力を測定するかが重要だ。
・昇給や賞与は査定して差をつけなければ社員はヤル気がなくなる。
・どうやったら社員がもっと一所懸命働くだろうか。
・将来どのくらいになるかが判る賃金モデルが必要だ。
・部長と係長の年収が逆転するのはおかしい。
・上位者は下位者より昇給額が高くなければおかしい。
・年齢を基準にした人事処遇は必要だ。(年齢給、年次管理、定年など)
・自己都合で辞めるのなら退職金は減額すべき。
・人事評価は「標準」を設定し、それと比べて上下をつけなければならない。
・若いウチは能力差などつけられないのでほぼ一律処遇にする。
・上司が部下の能力査定をするのは常識。

 しかし今やこれらの「常識」は社会の変化に対応できずに急速に陳腐化してきているのは事実です。


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