能力主義とは?

 職能給を語る上で欠かせないのが能力主義です。今や人事の分野では標準語となっている「能力主義」ですが、この定義は明確ではありません。実務上は定義などはどうでもいいのですが、論理として展開するうえで混乱を来さないよう一応の統一をしたいと思います。
●能力主義とは
 能力主義というのは「人の能力を基準として処遇を中心とした人事政策を行うこと」です。ここにおけるキーワードは「人」です。これは米国を中心として普及している職務制と対比をすると分かり易いのでご紹介をします。

 職務制のキーワードは「仕事」です。職務制は「仕事の価値」を基準に人事政策を考えます。極端に言えば、誰がどのような能力を保有していようと、実際に就いている仕事の価値が同じであれば同じ処遇をする、というものです。一方、能力主義というのは上述の職務制の「仕事」を「人の能力」に読み替えてみれば分かります。つまりスタンス(文化)の違いなのです。実際は能力の高い人が高い価値のある仕事に就いていきますので、結果はそれほど違わないのでしょう。ただし、職務制は「現在価値=時価」を重視しますので、能力主義と比較して視点が短期的になる傾向はあります。


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