職能給、能力主義、年俸制、業績評価、目標管理、すべて白紙で考えよう
当シリーズは中堅、中小企業300社以上の人事労務のコンサルティングを通じて得てきたノウハウを最大公約数的に記したものですが、最初にお断りをしておくことがあります。これは賃金理論を勉強されたい方に向くものではありません。それどころか一般的な理論の逆をいっていることが多いので、混乱されることがあるかもしれません。
当シリーズの文書は、
・理論はよく解らないが、直感として従来の人事ノウハウではやっていけないだろう、と感じられている。
・理論は解っているけれどどうもそのようにはいかないと思われている。
・実際、本のとおりにやってみたがうまくいかない。
このような方々に向けた内容としたつもりです。特に経営トップ、人事担当の方、コンサルタントの方に読んでいただき、いろいろご意見もいただけましたらこれに優る喜びはありません。
さて、今、日本の人事と賃金制度が大きな転換期に来ています。これは多くの人が感じられていることでしょう。バブル期以前からこういったことは叫ばれてきてはいましたが、昨今のマスコミによる人事関連のセンセ−ショナルな記事の洪水などにより、何となくみんながそのような気になってきているようです。
しかし人事制度の変革というのは会社毎に「時機」というものがあるので、世間がそうだからウチもそろそろ、などという軽い気持ちで行うべきものではありません。というよりもこの程度の意識の状況では、かえって変革は悪い方に向かうことが多いのです。(その意識の状況が「危機感がないからダメだ」ということではありません。つまり今現在はそういうステ−ジにあるというだけです。)
このシリーズの内容は既成の理論の解説書ではなく、ほとんどはお客様の要望もしくはヒントから得られたノウハウです。我々コンサルタントからすると、もう今はお客様の方が賢い時代。関連の本を何冊か読んでの知識の差でお客様からお金をいただける時代はもうとっくに終わっています。真のノウハウはお客様のところにあります。当シリーズ文書の内容はこの点を大切にして構築してきたものですので、みなさんの会社でも効果的に人事制度の改革を図ることができるものと確信をしております。
皆様のお役に立てることができれば幸いです。
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