病院のための経営改善を支える「新・職能給」導入セミナ−
〜97年9月18日実施のセミナーレジュメ〜
Updated on 2/19/98

1.はじめに
・事業は優秀な人材によって支えられる?
・倒産した病院にも優秀な職員はたくさん居た
・事業の存続を保証するものは…

2.能力主義とは何か
1)理想とする人材像を設定する。(知識・技能、態度能力、管理能力など)
2)その基準に対して個々人がどれくらいのレベルにあるかを計測する。
3)足らない部分を教育して能力の向上対策を打つ。
4)能力が向上した職員は職位と給料を上昇させて報いる。
5)レベルが上がらない職員は職位も給料も低いままに抑える。
6)結果として優秀な職員が厚遇され、病院が活性化する。…?

3.「職能給」はすでに時代に合わない〜一般企業では失敗続出
1)直感的にお答えください
a.理想とされる看護婦像を文字で表現する。(できそう・無理かも)
           ↓
b.その達成度に応じ、段階(等級)と基準を設定する。(できそう・無理かも)
           ↓
c.その基準で看護婦個々人を評価する。(できそう・無理かも)
           ↓
d.その評価によって個々人の等級と給料を決める。(できそう・無理かも)
           ↓
e.なぜあなたはダメなのか(いいのか)を面接で説得する。(できそう・無理かも)
           ↓
f.この制度が陳腐化しないように維持管理する。(できそう・無理かも)
2)一般企業ではどうなっているのか
・職能給はもともと大企業向けの制度として開発された(ポスト不足対策と人事異動に効果大。しかし今や完全に制度疲労)
・大企業と中小企業の決定的な違い
・最新の動向
3)一般企業との違いと共通項〜活性化の原点は同じ
・病院が特に遅れている訳ではない
・「明確な基準づくり」が迷い込む茶抜き畑
・役割を明確する〜チームミッションの設定
・納得性の問題を解決するには
・そんなこと聞いてない!〜演出としてのコミュニケーションの重要性
・オープン化への流れ
・特に人で苦労する業界としては…
4)経営環境による選択肢〜トップの意思と組織風土によって異なる人事政策

4.病院で働く人の特質を考えた賃金制度〜導入事例の紹介と検証
1)年齢給、勤続給、能力給〜積み木方式の問題点
2)病院の基本的な賃金体系
・基本給(キャリアをベースとした職種別・等級別の単一賃金表方式がベスト)
・諸手当(職務関連手当、生活関連手当)
3)昇給制度
・定期昇給とベースアップ
・人事評価の反映
4)昇格制度
・等級制度の運用方法
・能力主義が陥った隘路
5)能力主義の反映をどうするか
・経済的処遇
・身分的処遇

5.個人評価で人は活性化するか?〜最新の人事革新スキ−ム
1)「個人評価は結局は無理」という結論とジレンマ
2)チームによる業績管理と成果配分
3)個人評価は加点方式で

6.病院で人事制度を刷新する具体的ステップ
事前1)事業の方向性の確認(対経営陣)
事前2)組織風土調査(対職員)
事前3)ヒアリングと解決課題の抽出(対職員)
事前4)人材傾向調査(対経営陣)
事前5)改善プロジェクトの発足
事前6)インフォメーション等の演出対策
組織1)最適組織の策定と業務ユニット(業務責任単位)の設定
組織2)業務ユニット毎に役割(ミッション)を設定
組織3)マネージャー及びリーダーの選定と人の再配置
組織4)業務ユニット単位での業務計画、人材育成計画等の目標立案
組織5)目標管理方法の検討(チーム別業績管理も検討)
組織6)会議の機能整理と再設定
評価1)どのような手段を採るか
評価2)ガイドラインの設置(評価の指針、重点評価項目など)
評価3)加点主義評価方式の検討(人事評価制度の設計)
評価4)評価結果の反映方法検討(等級制度の是非、経済的処遇方法)
評価5)納得性のためのコミュニケーション対策(自己申告、面接、事後サーベイなど)
評価6)育成のプランニングと推進方法の検討
賃金1)現状分析と課題抽出
賃金2)諸手当の整備
賃金3)基本給の設計
賃金4)新体系乗せ替え
賃金5)賞与制度の再設計
賃金6)退職金制度の再設計
維持1)評価制度の維持管理
維持2)昇給対応と賃金制度の維持管理
維持3)随時カウンセリング
維持4)評価者教育の実施
維持5)目標管理制度の維持管理