新規事業進出をねらう中小企業事業主を応援する助成金
98年10月8日実施のセミナーレジュメ
Updated on 10/20/98

1.人事・組織改善について
1)改善の手段
  (1)社員の層別化、業務の層別化
     コア人材 ・・・・> 基幹社員       判断業務
     フロー人材1 ・・> 一般社員、準社員   熟練定型業務
     フロー人材2 ・・> パート社員      補助定型業務
     1) 能力開発の効率的な運営。
     2) パート雇用を拡大することにより、法定福利費をおさえる。
  (2)継続雇用制度の導入
     定年60歳以降の勤務と賃金の検討(賃金+在老年金+雇用継続給付)
  (3)出向者受け入れ
     熟練管理者として受け入れるとすれば有効。

2)関連主要助成金
  (1)高齢者雇用、パートタイム雇用
    ★特定求職者雇用開発助成金
    ★中小企業短時間労働者雇用管理改善等助成金
  (2)継続雇用制度導入
    ★継続雇用定着促進助成金
    ・高年齢雇用継続給付
  (3)出向者受け入れ
    ★労働移動雇用安定助成金

2.能力開発について
1)改善の手段
  (1)研修制度も年間計画で
     1) 能力開発計画 = 年間スケジュールを決める。
     2) 新規事業展開など経営計画実現を目的とした研修を
  (2)助成金対象となる研修は次の3段階
     1) 新規事業展開に合わせた研修
     2) 専門的技術的研修
     3) その他の研修

2)関連主要助成金
    ★生涯能力開発給付金
    ★中小企業人材高度化能力開発給付金
    ★労働移動雇用安定能力開発助成金
    ★雇用調整助成金

3.新分野進出・事業転換に係わる補助金について
1)改善の手段
  「中小企業労働力確保法」に係わる助成金の利用
     雇用促進、雇用安定を目的としているため・・・
       中小企業の新規事業進出による雇用の促進。
       雇用環境整備による雇用の安定。

     1) 助成金は3つ
      中小企業新分野展開支援人材確保助成金
      中小企業雇用環境整備奨励金
      中小企業人材高度化能力開発給付金
     2) 対象中小企業者は2種類
      個別中小企業者と認定組合構成中小企業者
      ※まだ労働者を雇用していない事業主(創業間もない)であっても、
       受けることができる。
     3) 事前に県へ「雇用管理改善計画」を提出して認定を受ける。

2)関連主要助成金
    ★中小企業新分野展開支援人材確保補助金
    ★中小企業雇用環境整備奨励金

4.新製品(新技術)の研究開発費用に係わる補助金
1)改善の手段
  (1)補助金の利用
     1) 中小企業が行う新技術、新製品等に関する研究開発または試作費用
       原材料費、外注加工費、機械装置費、技術指導受入費用、
       構築物(簡易な物)、外部研究委託費、直接人件費  他
     2) 補助事業は年度行事なので申請、認定の時期に注意
       認定日から年度末(3月31日)までの期間の費用が対象となる。
       申請期間よりも事前に窓口へ、事業計画を持ち、相談に出向く。
  (2)補助金の窓口は様々。補助金対象も様々。
     1) 補助金の窓口
      国単独、国と県、県単独、ベンチャー財団、その他の政府系機構
     2) 新技術の他に環境対策、福祉用具を対象とするものもある。

2)関連主要補助金
    ●創造技術研究開発費補助金
     事業規模、対象事業枠により、国枠(一般枠、特定枠、環境枠、課題枠)
    と県枠(国枠に加えて創造枠、新技術育成枠、産業集積活性枠)がある。
    ●新産業分野チャレンジ研究開発促進事業費補助金(愛知県単独)
      新たな事業展開及び他に先駆けたオンリーワン技術の創出を目指した、
     新産業分野における先進的・独創的な初期段階の研究開発に対して助成。
      補助率:補助対象経費の1/2以内
      補助額:50万円〜250万円まで
      事業費:100万円〜500万円まで
      補助対象:原材料費、機械装置工具費、外注加工費、ソフトウエア開発費など
      受 付:5月頃
    ●ベンチャー企業研究開発事業費補助金
      中小企業の技術開発研究を対象とし、アイデアや自己が保有する技術の
     具体化を目指した基礎・応用段階の技術開発で、実現化の可能性が見込め
     るもの。
      補助率:補助対象経費の2/3以内
      補助額:1,000万円程度
      事業費:1500万円程度
      補助対象:原材料費、機械装置工具費、外注加工費など
      受 付:1月頃
    ●その他
     ・NEDO(新エネルギー産業技術総合開発機構)による環境対策事業に
      関する補助金(十数種類)、福祉用具実用化開発費補助金。
     ・ベンチャー財団(財団法人中小企業ベンチャー振興基金、財団法人三和
      ベンチャー育成基金など)による研究開発費用に関する補助金

5.その他経営施策として
1)資金調達として
    3大資金調達方法として、出資、融資、助成金。
    助成金は、計画の認定手続き、期間管理など事務工数がかかり、更に、
   対象要件が限定されているので利用しにくい。
    出資(ベンチャー財団からの投資など)、融資(政府系金融機関など)の
   検討を行う。

2)賃金・人事制度改善
    新規事業創業期における有効な人事制度として、目標管理制度、業績評価
   制度、業績配分賃金(賞与)、予算管理による年俸制度などが考えられる。

3)労務管理制度改正
    労働時間制度で研究開発部門には裁量労働時間制を導入。
    パートタイム労働者、準社員、高年齢継続雇用労働者(嘱託社員)につい
   ては就業規則を別に定める。

4)事業協同組合
    同業者あるいは異業者と共同化(事業協同組合の設立など)して新規事業を
   展開する方法もある。
   ・同業者と組み他社技術を吸収し、現在の自社技術の発展、改善につながる。
   ・異業者と組み異業種技術を吸収し、新製品などの開発に、お互いにつながる。
   ・新規事業に係わる助成金、制度融資など受けることができる機会が拡大する。