8.賃金決定の留意点

 賃金の決定について注意すべき点は大きく分けて以下の4点が考えられ
ます。
 1)最低賃金 2)初任給相場 3)業界賃金水準 4)既存社員とのバランス
1)最低賃金
  最低賃金法に基づいて、各都道府県別の最低賃金額が定められていま
 す。賃金額を決定する際には、この金額を上回る額にする必要がありま
 す。(管轄は労働基準監督署)
 
2)初任給相場
  新卒の社員を採用する場合には、その年の新卒初任給相場を意識し、
 その相場に対し見劣りをしない程度の金額を支給することが採用戦略上
 重要になります。
 
3)業種賃金水準
  日本では企業単位での労働組合が主流を占めているため、業種別の賃
 金水準といったものはあまり存在しません。しかし、医療業界など一部
 の業界にはこの業種/職種別の賃金水準というものがあります。看護婦、
 コメディカル等の賃金額の決定を行う場合には注意が必要です。
 
4)既存社員とのバランス
  バブル期には新卒初任給が高騰し、新卒初任給が既存の社員の給与額
 を追い抜くという逆転現象が見られました。こうした状態は社員のやる
 気を削ぐことに繋がりますので慎重な対応が必要になります。

       

mailto:ec595@ecall.co.jp大津章敬