11.労使協定とは

 労使協定とは「当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があ
る時はその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは、
労働者の過半数を代表する者との書面による協定」のことをいいます。実
務上は言葉の定義より、協定が必要な以下の事柄を覚えておく必要がある
と思われます。
 
【労使協定が必要な場合】
         協 定 内 容            監督署届出
 1)貯蓄金の管理に関する協定(いわゆる社内預金)     必要
 2)賃金支払いに関する協定                不要
 3)フレックスタイム制度に関する協定           不要
 4)1年単位の変形労働時間制に関する協定         必要
 5)1週間単位の非定型的変形労働時間制に関する協定    必要
 6)事業場外労働のみなし制に関する協定          必要
 7)裁量労働のみなし制に関する協定            必要
 8)時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)     必要
 9)計画年休に関する協定                 不要
 10)年休の標準報酬日額に関する協定            不要
※上の10例についての労使協定は労基署への届出不要なものであっても
 協定の締結は必要です。なお、届出必要とされているものを怠ると30
 万円以下の罰金に処せられます。
 
【よく使う労使協定】
 1)時間外労働・休日労働に関する協定
   通称『36協定』は労働基準法に定められたルールです。この協定
  の締結・届出をせずに、1週40時間・1日8時間を超えて働かせる
  ことは出来ません。よって、監督機関である労働基準監督署も絶えず
  この協定には目を光らせており、調査時には必ずといってよいほど質
  疑を受けることになります。
 2)計画年休に関する協定
   計画年休とは、『当該事業場の過半数労働組合、それがない場合は
  労働者の過半数代表者と労使協定を締結すれば、労働者の年次有給休
  暇の日数の内、5日を超える部分について計画的に年休日を労使によ
  り特定出来る』制度です。この計画年休のタイプとしては、以下の3
  つがあげられます。
     a.事業場全体としての一斉休暇
     b.班別の交替制休暇
     c.計画による個人休暇
   この休暇を上手に利用することで、社員の年休消化率を上昇させる
  ことが可能となります。一般的にはゴールデンウィーク・夏期休業・
  年末年始休暇に、『事業場全体としての一斉休暇』方式を採用する事
  業場が多いようです

       

mailto:ec265@ecall.co.jp平澤匡志

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