1ヶ月単位の変形労働時間制に関する協定書
1ヶ月単位の変形労働時間制とは、1ヶ月以内の一定期間を平均し、1週間当たりの労働時間が法定労働時間を超えない範囲内において、特定の日又は週に法定労働時間を超えて労働させることができる制度です。この制度を採用するためには、就業規則その他これに準ずるものを変更するか、労使協定を締結し所轄労働基準監督署に届け出る必要がありますが、この書式はその際に用いる労使協定書のサンプルです。
重要度:★★★(就業規則の定めでも可)
官公庁への届出:必要(所轄労働基準監督署)
法定保存期間:協定期間
[ダウンロード]
Word形式 month_henkei_sho.doc(31KB)
PDF形式 month_henkei_sho.pdf(8KB)
[ワンポイントアドバイス]
1ヶ月単位の変形労働時間制を採用する場合、あらかじめ各日、各週の労働時間を具体的に決めなければなりません。また、名称が「1ヶ月単位」となっていますが、1ヶ月以内であれば良く4週間や3週間といった期間でも構いません。実務上は、割増賃金の計算に注意が必要です。1ヶ月単位の変形労働時間制を採用した場合は、次の順序で時間外労働を算出します。
1日については、就業規則その他これに準ずるものにより8時間を超える時間を定めた日は、その定めた日の時間を超えて労働させた時間、それ以外の日は8時間を超えて労働させた時間
1週間については、就業規則その他これに準ずるものにより40時間(または44時間)を超える時間を定めた週は、定めた週の時間を超えて労働させた時間、それ以外の週は40時間(または44時間)を超えて労働させた時間(で時間外労働となる時間を除く)
変形期間については、変形期間における労働時間(40時間または44時間×変形期間÷7)を超えて労働させた時間(またはで時間外労働となる時間を除く)
[根拠条文]
労働基準法第32条の2
使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、又は就業規則その他これに準ずるものにより、1箇月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が前条第1項の労働時間を超えない定めをしたときは、同条の規定にかかわらず、その定めにより、特定された週において同項の労働時間又は特定された日において同条第2項の労働時間を超えて、労働させることができる。
2 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。
[関連通達]
昭和63年3月14日基発150号
勤務ダイヤによる1ヶ月単位の変形労働時間を採用する場合、各人ごとに、各日、各週の労働時間を就業規則においてできる限り具体的に特定すべきものであるが、業務の実態から月ごとに勤務割を作成する必要がある場合には、就業規則において各直勤務の始業終業時刻、各直勤務の組合せの考え方、勤務割表の作成手続及びその周知方法等を定めておき、それにしたがって各日ごとの勤務割は、変形期間の開始前までに具体的に特定することで足りる。
平成6年3月3日基発181号
休日振替の結果、就業規則で1日8時間又は1週40時間を超える所定労働時間が設定されていない日又は週に1日8時間又は1週40時間を超えて労働させることになる場合には、その超える時間は時間外労働となる。
[関連判例]
JR東日本〔横浜土木技術センター〕事件 東京地裁平成12年4月27日判決
1か月単位の変形労働時間制(労基法32条の2)における勤務指定後の労働時間の変更につき、就業規則の変更条項によって変更することは同条に違反しないが、同条が労働者の生活設計への配慮も趣旨としていることに照らせば、変更条項は労働者が予測可能な程度に変更事由を定めることを要し、それを充たさない場合は同条違反として違法・無効となるとされた例
[参考リンク]
厚生労働省「1ヵ月又は1年単位の変形労働時間制 」
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/kijunkyoku/week/970415-3.htm
(福間みゆき)
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