転勤猶予制度運用規程
家族の介護など、会社が認める事由に該当する場合に、一定期間転勤を猶予する制度の運用についてを定めた規程のサンプル(画像はクリックして拡大)です。
重要度:★
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[ワンポイントアドバイス]
会社は就業規則等に定めがあれば、その人事権により社員を転勤させることができますが、近年、この転勤命令権の濫用としてその転勤命令が無効とされることが増えてきています。特に家族の介護などの事由がある場合には、転勤命令に際し、十分な配慮をすることが求められています。この規程ではそうした取扱いを明確にしていますが、社員が安心して働く環境を構築するためにも、一定の事由がある場合には転勤を猶予するという取扱いを制度化することは有効でしょう。
[関連裁判例]
ミロク情報サービス事件 京都地裁 平成12年4月18日判決
京都支社から大阪支社への転勤命令につき、労働契約に勤務地を京都に限定する旨の合意は含まれていないが、労働者のメニエール病罹患は周知され、病気のため長時間の通勤に耐えられるか疑問等の理由から、転勤命令権の濫用で許されないとされ、転勤命令に違反し無断欠勤したとしてなされた解雇も無効とされた例。
ネスレジャパン事件 神戸地裁姫路支部 平成15年11月14日判決
総合食品会社の従業員に対する姫路工場から霞ケ浦工場への転勤命令について、妻(精神病で通院加療中)や母(母が高齢で介護を要する)の援助や介護の必要性、子供の養育(子供2名の受験)等を理由に、いずれも、業務上の必要性が認められながら、労働者に対し通常受忍すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるとして、権利の濫用に当たり無効とした例。
参考リンク
福島県労働委員会「使用者の配転命令とその限界」
http://www.pref.fukushima.jp/roui/roushitoraburuqa/kobetu/200209.html
厚生労働省「配置転換、出向、転籍に関する判例・裁判例」
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/05/s0524-2b.html
(福間みゆき)
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