外国人の雇用状況届出制度
【質問】
当社では、このたび外国人を雇い入れることになりました。外国人を雇用した際には、ハローワークへ届出が必要だと聞いたことがあるのですが、それはどのような制度でしょうか。また、具体的にどのような手続きが必要になるのでしょうか。
【回答】
事業主は、外国人の雇入れまたは離職の際に、一定事項について確認し、届出を行うことが義務づけられています。これを「外国人雇用状況届出制度」といいます。
外国人雇用状況届出制度は、不法就労を防止するとともに、雇用環境の改善に向けての事業主への助言・指導や、離職者の再就職支援を効果的に行うことを目的としています。
具体的に確認・届出の対象となる外国人は、まずは在留資格によって区分します。在留資格の中で、「特別永住者」については、就業等に制限がないため、確認・届出の必要はありません。それ以外の在留資格を持つ外国人については、確認・届出が必要です。確認事項・届出方法は、以下のとおりとなります。
<確認事項>
原則として、平成24年7月9日から交付されている「在留カード」で確認します。在留カードとみなされる「外国人登録証明書」を持っている外国人や、いずれも所持していない外国人については、パスポートによって確認し、⑦については、資格外活動許可証等によって確認します。
①氏名
②在留資格
③在留期間
④生年月日
⑤性別
⑥国籍
⑦資格外活動許可の有無(資格外活動を行う場合のみ)
<届出方法>
1.雇用保険の被保険者である場合
雇用保険被保険者資格取得届の備考欄に、上記②在留資格、③在留期間、⑥国籍、⑦資格外活動の許可の有無(資格外活動を行う場合のみ)を記載して、管轄のハローワークへ届出します。また、離職の際には、資格喪失届の備考欄に、上記②在留資格、③在留期間、⑥国籍を記載して届出します。届出期限は、通常の取得届・喪失届と同様です。
2.雇用保険の被保険者でない場合
「雇入れ・離職に係る外国人雇用状況届出書(様式第3号 第10条関係)」に、上記①~⑦(⑦は資格外活動を行う場合のみ)を記載して管轄のハローワークに届出します。届出期限は、雇入れまたは離職の日の翌月末日までです。
これらの届出の懈怠や虚偽の届出を行った際には、30万円以下の罰金という罰則が定められているほか、厚生労働省による指導・勧告の対象となります。外国人の雇入れや離職の際には、ハローワークへの届出を忘れずに行うようにしましょう。なお、外国人であるかどうかの判断については、通常の注意力をもって行えば足りるものとされています。(佐藤浩子)
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