社長はビジネスクラス、従業員はエコノミークラスが主流/海外出張時の航空機利用

 民間調査機関である一般財団法人労務行政研究所が、国内・海外出張旅費に関する実態調査を実施し、2014年6月にその調査結果の発表がありました。この調査結果は、この20年ほどで企業が国内出張、海外出張ともに出張費用の削減をしてきていることが顕著に表れたものとなっています。

 そのうち、調査項目の一つである海外出張における航空機の利用水準についてみると、まだ出張費の削減が本格化していなかった1992年当時は、社長であればファーストクラスの利用が主流(75.0%)であったのに対して、2014年現在ではビジネスクラスの利用が主流(41.5%)となっています。従業員においても、1992年当時、部長級であればビジネスクラスの利用がある程度の割合(34.5%)であったものの、2014年現在では、部長級であってもエコノミークラスの利用(77.2%)が大半を占めるようになっています。

 このように航空機の利用水準が下がってきた背景としては、単に出張費用の削減がされてきているだけでなく、日本企業の出張先がアメリカ・ヨーロッパ圏から中国・アジアなど短距離の場所へシフトしてきたことも影響があると考えられます。

 出張旅費の水準の見直しを考える際には、このような統計資料も参考に世間相場も含めて検討をされることがよいでしょう。(佐藤和之)

<海外出張における航空機の利用等級基準の推移(抜粋)>
□社長
 1992年 ファーストクラス 75.0% ビジネスクラス 5.3% エコノミークラス 6.1%
 2014年 ファーストクラス 25.1% ビジネスクラス 41.5% エコノミークラス 19.3%
□部長級
 1992年 ファーストクラス 1.5% ビジネスクラス 34.5% エコノミークラス 57.0%
 2014年 ファーストクラス 0%  ビジネスクラス 13.6% エコノミークラス 77.2%
□一般従業員
 1992年 ファーストクラス 0% ビジネスクラス 22.0% エコノミークラス 71.0%
 2014年 ファーストクラス 0% ビジネスクラス 3.4%  エコノミークラス 87.4%

<参考リンク>
一般財団法人労務行政研究所「出張におけるグリーン車と航空機の利用基準を調査」
http://www.rosei.or.jp/research/pdf/000062691.pdf

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