半年ごとに通勤手当が支給されている場合、平均賃金の算定はどのように行えばよいのでしょうか?

A 6カ月分の通勤手当を6で除した金額を各月の賃金に加算し、平均賃金を計算します。

1.平均賃金の算定方法
 平均賃金とは、労働基準法等で定められている解雇予告手当や休業手当などを算定するときに基準となる金額のことをいいます。原則的には労働者に解雇通知をした日や休業日など、その事由が発生した日以前3カ月間に支払われた賃金の総額をその期間の総日数で除した金額になります。なお、賃金締切日がある場合、その起算日は直前の賃金締切日になります。

2.平均賃金の算定に用いる賃金
 平均賃金の算定に用いる賃金は算定期間中に支払われた賃金のすべてを含みます。具体的には基本給だけではなく、通勤手当や皆勤手当、住宅手当、家族手当、年次有給休暇の賃金、定期券代などの諸手当、更には時間外割増賃金などについても含まれることになりますので注意が必要です。また、臨時に支払われた賃金(慶弔見舞金)や3カ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与)については賃金に含まれません。

3.平均賃金と通勤手当
 平均賃金の算定においてよく問題となるのが、通勤手当を6カ月毎に支給しているようなケースです。このような場合においては6カ月分の通勤手当を6で除した金額を各月の賃金に加算し、平均賃金を算定することになります。
<計算例>
・平均賃金算定事由発生日:6月10日
・賃金締切日:毎月20日
・各月の賃金支給額:
5月分(4月21日~5月20日)
 基本給200,000円 時間外割増賃金20,000円
4月分(3月21日~4月20日)
 基本給200,000円 時間外割増賃金20,000円 6カ月定期券 60,000円
3月分(2月21日~3月20日)
 基本給200,000円 時間外割増賃金10,000円
 
1カ月分の通勤手当=60,000円÷6カ月=10,000円
 
平均賃金=(230,000円+230,000円+220,000円)÷(30日+31日+28日)=7,640.4494円

平均賃金の端数処理は銭未満切捨のため、平均賃金は7,640円44銭

※時給制などの場合の最低保証の仕組みもありますので、その詳細については以下のリーフレットをご覧ください。
https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/var/rev0/0109/4772/280823-1.pdf

(渡たかせ)