派遣労働者の同一労働同一賃金(労使協定方式)の2021年度一般賃金等の額の発表は秋まで延期

 派遣労働者の同一労働同一賃金は企業規模に関わらず、2020年4月1日から施行されています。その派遣労働者の同一労働同一賃金には、派遣先均等・均衡方式と労使協定方式があり、労使協定方式を選択したときは、派遣労働者の賃金の決定の方法を労使協定に定めることとなり、「派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金(一般賃金)の額として厚生労働省令で定めるものと同等以上の賃金の額となるものであること」等の要件を満たすことが必要とされています。

 この一般賃金等の額については、次年度に適用を予定されるものを、前年または前年度の統計調査等を活用し、毎年6~7月に厚生労働省から示されると周知されていますが、来年度(2021年度)については、新型コロナウイルス感染症による雇用・経済への影響の先行き等が明らかではないため、できるだけぎりぎりまで見極めて示すことの案内が厚生労働省から行われました。

 派遣元事業主の労使協定の締結・見直しには一定の期間を要するものであり、2021年度に向けた派遣元事業主と派遣先との契約交渉は本年末頃から開始されるものと考え、秋を目途として、新型コロナウイルス感染症の雇用・経済への影響等を踏まえた、一般賃金の額等を示すとしています

 発表を待っている派遣元の方も多いかと思いますが、発表までもう少し待つ必要がありそうです。


参考リンク
厚生労働省「派遣労働者の同一労働同一賃金について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077386_00001.html

(宮武貴美)