緊急事態宣言を受けた雇用調整助成金特例措置等延長の具体的方針が示されました

 緊急事態宣言の再発令から2週間が経過しましたが、政府は1月22日に行われた新型コロナウイルス感染症対策本部の会合において雇用調整助成金の特例措置延長の方針を示しました。これを受け、厚生労働省ホームページで以下の内容が公表されています。なお、この内容は政府としての方針を表明したものであり、施行にあたっては厚生労働省令の改正等が必要であり、現時点ではあくまでも予定となります。
1.雇用調整助成金の特例措置等の延長
 雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金(以下「雇用調整助成金等」という。)、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金(以下「休業支援金等」という。)については、緊急事態宣言が全国で解除された月の翌月末まで現行措置を延長される予定。

2.特に業況が厳しい大企業への雇用調整助成金等の助成率引上げ
 今般の緊急事態宣言に伴い、緊急事態宣言対象地域の知事の要請を受けて営業時間の短縮等に協力する飲食店等に対しては、雇用調整助成金等に係る大企業の助成率を最大10/10 に引き上げることとされていますが、これに加え、生産指標(売上等)が前年又は前々年同期と比べ、最近3か月の月平均値で30%以上減少した全国の大企業に関して、当該宣言が全国で解除された月の翌月末まで、雇用調整助成金等の助成率を以下のとおり最大10/10とされる予定。
 ・解雇等を行わない場合の助成率  10/10(これまでの特例措置の助成率3/4)
 ・解雇等を行っている場合の助成率 4/5(これまでの特例措置の助成率2/3)

 その上で、緊急事態宣言が全国で解除された月の翌々月から、雇用情勢が大きく悪化しない限り、原則的な措置を段階的に縮減すると共に、感染が拡大している地域・特に業況が厳しい企業については以下の特例が設けられる予定。
<緊急事態宣言が全国で解除された月の翌々月から2か月間の措置として想定する具体的内容>
○原則的な措置を以下のとおりとする。
・雇用調整助成金等の1人1日あたりの助成額の上限:13,500 円(現行 15,000円)
・事業主が解雇等を行わず、雇用を維持した場合の中小企業の助成率:9/10(現行 10/10)
※ 休業支援金等の1人1日あたりの助成額の上限:9,900 円(現行 11,000 円)
○感染が拡大している地域・特に業況が厳しい企業(※)の雇用維持を支援するため、特例を措置(上限額 15,000 円、助成率最大 10/10)。
※生産指標(売上等)が前年又は前々年の同期と比べ、最近3か月の月平均値で 30%以上減少した全国の事業所

 本件に関しては今後も最新情報が出る都度、お伝えします。1人でも多くの雇用、1社でも多くの企業を守っていきましょう。


参考リンク
厚生労働省「雇用調整助成金の特例措置等の延長等について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/enchou0122_00002.html

(大津章敬)