テレワークにおけるストレス軽減のためには雑談が重要になります

 緊急事態宣言の影響なのか、新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向にあり、少しだけホッとしている大熊であった。


大熊社労士
 おはようございます!
服部社長服部社長
 大熊さん、おはようございます。緊急事態宣言は続いていますが、新規感染者数が減少傾向にあるのはいい便りですね。この傾向が続き、ワクチンの接種が始まれば、社会の雰囲気も変わるかも知れませんね。
大熊社労士
 そうですね。本当にそうあって欲しいです。さて、緊急事態宣言でテレワークが推奨されていますが、御社でもテレワークは継続中でしょうか?
宮田部長宮田部長
 はい、絶賛継続中です。といっても、弊社の場合、工場勤務の社員はあまりテレワークには向かないので、営業系・管理系のメンバーが中心になるのですけどね。私も先週は2日、在宅で仕事をしましたよ。
大熊社労士
 そうでしたか。以前と比較して、仕事の効率はいかがですか?
宮田部長
 昨年春の緊急事態宣言の頃は、従来の仕事をそのまま自宅に持ち帰る感じだったので、なかなかうまく行きませんでしたが、最近はペーパーレス化もいくらか進みましたし、WEB会議システムなどの整備もできたので、以前と比較するとかなり効率は上がった気がします。ただ、会社で仕事するよりもなんだか疲れるような気がしますね。
福島さん
 部長、いつも在宅だとストレスが溜まるっておっしゃっているじゃないですか。
宮田部長
 そうなんだよ。WEB会議での打ち合わせや社外の方との調整などは、変に疲れて、いままでになかったようなストレスを感じることが多くなっているように思います。
大熊社労士大熊社労士
 やはり、そうですか。私も在宅勤務をしているとあっという間に時間が経つのと同時に、夕方になるとぐったり疲れを感じることがよくあります。この状況は多くの方に共通のようなのです。ということで、今日はリクルートキャリアが実施した「新型コロナウイルス禍における働く個人の意識調査」の中から、テレワーク時のストレスについて情報提供したいと思います。
宮田部長
 それは面白そうですね。どのような結果だったのですか?
大熊社労士
 はい。まず、新型コロナの影響によってテレワークを経験した人のなんと59.6%が、テレワーク前の出勤をしていたときにはない仕事上のストレスを感じているという結果になっています。
宮田部長
 なんと6割。やはりそうでしたか。みんな一緒なのですね。
大熊社労士
 そうなのです。ここで面白いのが、テレワークによってストレスを感じた人を、仕事中に「雑談」がある回答群と「雑談」がない回答群に分けた結果です。先ほどのストレスを感じた人のうち、いまだにストレスが解消できていない割合は67.7%となっているのですが、そのうち、「雑談」がある人の場合はこの値が63.2%であるのに対して、「雑談」がない人は77.3%となっているのです。
福島さん
 ということは、その差は14.1ポイントにもなるのですね。
大熊社労士
 はい。なかなか面白い結果ですよね。テレワークにおけるストレスの解消のためには、雑談が重要であるようなのです。ちなみに年代別で見ると、「チャットなどでの業務外の会話」や「会議開始前の世間話のような会話」において、50~60代の回答が極端に低くなっています。宮田部長、心当たりはありませんか?
宮田部長
 そうですね。どうなんだろう?
福島照美福島さん
 宮田部長、そうなんだと思いますよ。会社にいるときはおしゃべりな部長も、WEB会議だと用件だけを淡々と進める感じじゃないですか。お陰で会議が早く終わるとみんな話していましたよ(笑)。
宮田部長
 なに、そんな風に言われてるの?そっかぁ、意識していなかったけれどもそうなのかも知れないなぁ。
大熊社労士
 ということですので、テレワーク時のストレス軽減のためにも、少し意識して雑談を取り入れることを心がけるとよいと思います。例えば、WEB会議の前に仕事とは関係のない内容でテーマを決めて、フリートークをするなどよいのではないでしょうか?あと、報告連絡相談も、かちっとした形ではなく、チャットで随時相談するといった形で進めるとよいと思いますよ。お互いに仕事をしている姿が見えないので、ズレがあると、どんどんそのズレが大きくなってしまいますから。
服部社長
 確かにそうですね。当社でもいろいろと工夫して、より効果的にテレワークができるようにしていきましょう。

>>>to be continued

大熊社労士のワンポイントアドバイス[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
 こんにちは、大熊です。本日はリクルートキャリアの調査から、テレワーク時のストレスに関する内容を見てみました。私もテレワークの際には、いつもとは違う変な疲れ方をすることが多くありますが、今後も柔軟な働き方の一つとしてテレワークを定着させていくためにはこの問題にも積極的に取り組んでいく必要があります。なお、この調査の中に「テレワークのストレス解消に関するフリーコメント」という箇所があるのですが、そこに以下のような意見が書かれています。非常に参考になる意見だと思いますので、是非、みなさんの会社でもチャットや電話の有効活用をご検討ください。
「チャットの導入などで大きく改善されたと思われる。ちょっとだけ聞くという行為がしやすくなった。また、電話を活発に使用しても良い雰囲気も出来上がったことも一因として考えられる。いろいろな点で皆が慣れてきている(千葉県/28 歳)」


参考リンク
リクルートキャリア「新型コロナウイルス禍における働く個人の意識調査」
https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2021/210122-02/

(大津章敬)