東証一部上場企業における2021年度新入社員の初任給 大卒で前年比+537円の213,003円

 近年、就職活動での売り手市場が続いていることから、初任給の上昇が続いています。今春においては新型コロナの影響がいくらか見られたと予想されますが、その結果はどうだったのでしょうか。本日は、一般財団法人労務行政研究所が行った東証1部上場企業210社についての速報集計の結果を見てみましょう。
1.初任給の改定状況
 初任給の引き上げ率は、17.1%に止まり、74.3%の企業が2021年度の初任給を前年度と同額に全学歴据え置きとしています。2020年度の引き上げ率は32.9%でしたので、急落という結果となっています。
2.初任給の水準
 その結果、初任給の水準(全産業)は以下のとおりとなりました。
高校卒(事務・技術)
 172,049円(前年比+553円)
短大卒(事務)
 183,680円(前年比+514円)
大学卒(事務・技術)
 213,003円(前年比+537円)
大学院卒修士
 229,759円(前年比+463円)

 例年と比較すると引上げ率・額ともに小規模となっていますが、それでも着々と初任給は上昇しています。自社の初任給との乖離がないか、こうした統計や競合他社の水準との比較を行うようにしましょう。


参考リンク
労務行政研究所「2021年度 新入社員の初任給調査」
https://www.rosei.or.jp/research/pdf/000080120.pdf

(大津章敬)