2021年3月大学等卒業者の就職率は96.0%、前年同期を2.0%下回る
コロナ禍で新卒採用を控えたり、採用人数を控えたりする企業も多くなっているかと思います。ここで就職率が上がらない場合には、就職氷河期と同様の正社員経験が得られないまま年齢を重ねる人が出てくる恐れもあり、厚生労働省は新卒採用を維持するように経済団体等に協力要請をしていました。
これに関連し、今回、厚生労働省と文部科学省から、2021年3月大学等卒業者の就職状況の共同調査の結果(2021年4月1日現在)が取りまとめられ、公表されました。その結果の概要は以下の通りです。
【就職率の概要】
・大学(学部)は96.0%(前年同期を2.0%下回る)
・短期大学は96.3%(同0.7%下回る)
・大学等(大学、短期大学、高等専門学校)全体では96.3%(同1.7%下回る)
・大学等に専修学校(専門課程)を含めると95.8%(同2.0%下回る)
大学(学部)の就職率は、リーマンショック後には91.0%まで下がったため、それと比較すると維持はできているものの、コロナ禍の厳しい環境下にあることが想定されます。
厚生労働省は、未就職のまま卒業した人などに対しては、新卒応援ハローワークの就職支援ナビゲーター※と大学等の就職相談員とが連携し、きめ細かな就職支援を継続して行うとしています。また、事業主に対しては、若者雇用促進法に基づく指針を踏まえ、既卒者が卒業後少なくとも3年間は「新卒枠」に応募できるよう、引き続き、周知徹底を図っていくことにしています。
※新卒者などの就職支援を専門とする職業相談員(キャリアコンサルタントなどの資格保持者や企業の人事労務管理経験者など)。
参考リンク
厚生労働省「令和3年3月大学等卒業者の就職状況を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000184815_00016.html
厚生労働省「新卒者等の採用維持・促進に向けて、田村厚生労働大臣・坂本一億総活躍担当大臣・萩生田文部科学大臣・長坂経済産業副大臣が、経済団体に対し協力要請をしました」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000193580_00006.html
(宮武貴美)