テレワーク継続の目的が「働き方改革の推進」「人材の採用・確保」等に変化
新型コロナの感染が少しずつ沈静化するに伴い、テレワークの実施率が低下してきています。しかし、同時にその実施目的には変化の兆しも。本日はそのような状況を、東京商工会議所の「中小企業のテレワーク実施状況に関する調査」結果(2022/6/13)」から見ていくこととします。なお、この調査は、2022年5月16日~26日に、東京23区の中小企業2,284社を対象に実施されたもので、回答数は654社となっています。
これによれば、2022年5月の東京23区における中小企業のテレワーク実施率は、29.7%(2022年2月の前回調査と比較し、▲8.1ポイント)と、2020年3月の調査に次いで、過去2番目に低い結果となっています。
このようにテレワーク実施率は低下していますが、今回注目したいのは、テレワーク継続の目的が変化してきていることです。以下はその前回調査(2022年2月)との比較です。
38.4%→56.7% 働き方改革の推進(+18.3ポイント)
67.3%→53.1% 事業継続性の確保(▲14.2ポイント)
66.4%→49.0% 出勤人数を抑制・三密回避(▲17.4ポイント)
36.5%→39.7% 通勤負担の意軽減
20.9%→23.2% 業務プロセスの見直し
9.0%→18.6% 人材の採用確保のため・遠隔地・優秀な人材(+9.6%)
11.4%→11.9% コスト削減のため・(オフィス・通勤費など)
このように事業継続性の確保や三密回避という目的が大幅に低下する一方、働き方改革の推進や人員の採用・確保が大幅な伸びを見せています。いよいよ、新しい働き方の選択肢として、テレワークが定着期に入ってきたといえるのでしょう。もっとも企業間の対応にはかなりのバラつきがありますので、当面はテレワークを活用した働き方改革が進む企業と遅れる企業の二極化が進むことになりそうです。後者の企業は人材の確保・定着において課題が出ていないか、常にチェックが求められることになりそうです。
参考リンク
東京商工会議所「中小企業のテレワーク実施状況に関する調査」結果(2022/6/13)」
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1029703
(大津章敬)