厚労省「2022年度 雇用政策研究会 議論の整理」に見る現在の労働市場の課題と対策
先日、厚生労働省から「2022年度 雇用政策研究会 「議論の整理」」が公表されました。雇用政策研究会では、中長期的な観点からの雇用政策の今後の方向性を議論するため、その時々の社会的背景(DX 等に代表される技術革新の急速な進展)や、経済・社会動向の中長期的な予測を前提とし、様々な議論を行い、報告書をまとめています。この内容は現在の労働市場の状況を理解するのに最適なものとなっていますので、以下、ご紹介します。
今回の整理では、コロナ禍での労働市場の環境変化や働き方への影響等の現状と構造的課題について、以下の5点にまとめています。
課題1:労働供給制約とそれに伴う人手不足
課題2:働き方の多様化
課題3:デジタル化への対応と労働生産性の向上
課題4:豊かな人生を支える健康的な職業生活の実現
課題5:都市部と地方部における地域間格差
その上で、労働者・企業・政府が協働して、しなやかな労働市場(社会経済の変化に対して、柔軟(フレキシブル)に対応でき、かつ回復力(レジリエンス)を持ち、働く者のウェル・ビーイングが高く、生産性も高い、持続可能(サステイナブル)な労働市場という意味)を構築していくためには、以下の4つの仕組み作りが必要とし、その具体的な政策の方向性を示しています。
- 労働者のワーク・エンゲージメントを高め、労働生産性と企業業績の向上につなげる経済の仕組み
- 多様なチャネルを活用した労働者のキャリア形成と企業の人材育成を促進する仕組み
- ウェル・ビーイング向上への取組が人材確保と労働供給の増加につながる仕組み
- 労働市場の基盤強化と多様性に即したセーフティネットの構築を通じ最適な資源配分を実現する仕組み
20ページほどの資料になりますので、是非ご覧ください。
参考リンク
厚生労働省「2022年度 雇用政策研究会 「議論の整理」」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_030127159_001_00030.html
(大津章敬)