41%の企業で初任給を引き上げ 平均額は大卒で210,854円、高卒で173,032円

 近年、採用難もあり、学卒初任給の上昇が続いています。そこで本日は、産労総合研究所の「2022年度 決定初任給調査」からその最新の状況を見ていきます。なお、この調査は、同社会員企業および上場企業から一定の方法で抽出した3,000社に対して実施されたもので、回答を得た305社の結果を集計したものです。
(1)初任給の改定状況
 2022年4月入社者の初任給の改定状況は、前年度と比較して以下のように初任給を引き上げた企業が増加しています。
初任給を引き上げた 41.0%(前年度29.8%)
初任給を据え置いた 55.4%(前年度65.7%)
初任給を引き下げた 0.0%(前年度0.3%)

 なお、初任給を引き上げた理由については、「人材を確保するため」が63.2%、「在籍者のベースアップがあったため」が45.6%となっています。

(2)学齢別初任給
大学院卒 博士 237,560円
大学院卒 修士 230,840円
大学卒 事務・技術 210,854円
 1,000人以上 217,269円
 300~999人 211,330円
 299人以下 207,134円
短大卒 事務 186,285円
高専卒 技術 194,679円
高校卒 事務・技術  173,032円
 1,000人以上 176,269円
 300~999人 171,470円
 299人以下 172,077円
専修・専門技術学校卒
 2年修了 191,597円
 3年修了 193,349円

 このように初任給は大卒は21万円台、高卒は17万円台半ばが相場となっています。企業の採用意向を見ていると、新卒・中途とも採用を強化する動きが見られます。物価上昇による賃上げの流れもあり、初任給はまだまだ上昇を続けることが予想されます。


参考リンク
産労総合研究所「2022年度 決定初任給調査」
https://www.e-sanro.net/research/research_jinji/chinginseido/shoninkyu/pr2207.html#

(大津章敬)