2023年卒の採用活動、未充足率は前年比11.9ポイント増の58.3%
企業の採用意向の高まりにより、新卒採用で苦戦する企業が増加しています。そこで今回は、リクルートが毎年発行している就職白書の2023年版の中から、新卒採用の採用数の計画に対する充足状況(12月時点)を見てみたいと思います。
2023年卒の充足・計は40.4%であるのに対して、未充足・計は58.3%とかなり未充足の企業が多くなっていることが分かります。グラフおよび以下の数値は過去8年間の推移になりますが、コロナ前にじわじわと上昇していた未充足率が、コロナの混乱で一時的に低下し、今年、再度急速に上昇した形となっています。
2016年卒 充足・計48.3% 未充足・計50.7%
2017年卒 充足・計50.2% 未充足・計48.3%
2018年卒 充足・計47.5% 未充足・計50.9%
2019年卒 充足・計47.0% 未充足・計51.5%
2020年卒 充足・計45.7% 未充足・計53.4%
2021年卒 充足・計56.0% 未充足・計43.3%
2022年卒 充足・計52.2% 未充足・計46.4%
2023年卒 充足・計40.4% 未充足・計58.3%
なお、直近3年間の内容を詳細に見ると以下のようになっています。「計画よりかなり少ない」という回答が前年比で+7.0ポイントの急上昇となっているのが印象的です。
計画よりかなり多い
2021年卒 2.4%→2022年卒 1.4%→2023年卒 1.3%
計画より若干多い
2021年卒 14.6%→2022年卒 13.0%→2023年卒 10.0%
計画通り
2021年卒 38.9%→2022年卒 37.8%→2023年卒 29.1%
計画より若干少ない
2021年卒 30.8%→2022年卒 32.6%→2023年卒 38.2%
計画よりかなり少ない
2021年卒 10.1%→2022年卒 11.6%→2023年卒 18.6%
2024年卒についても多くの企業では採用数を増やす意向が示されており、引き続き、新卒採用の環境は厳しさを増していくことになるでしょう。今後の経営戦略を前提に、どのような人材の確保が必要なのかを見極め、従業員の採用・育成・定着をバランスよく行っていくことが重要です。
参考リンク
リクルート「就職白書2023(2023/2/21)」
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/2023/0221_12050.html
(大津章敬)