厚労省が期間を設けて実施する同一労働同一賃金の取組の強化

 働き方改革関連法の施行により、同一労働同一賃金に向けた取組が各企業で進められました。しかしながら、まだまだ課題を抱えた企業も多くあると推測します。今回、大企業を中心に4月からの賃上げの流れが出てきていることもあり、その賃金引上げの流れを中小企業・小規模事業者の従業員や非正規雇用労働者に波及させられるよう、厚生労働大臣から労使団体に対し、企業が賃金引上げに取り組む際の同一労働同一賃金の観点を踏まえた対応等について、働きかけが行われています
 こうしたことも踏まえ、厚生労働省は、昨日(3月15日)から5月31日までを取組強化期間として設定し、同一労働同一賃金の遵守の徹底に向けた取組を集中的に行うことを発表しました。3月15日付で、経済団体・各種業界団体・自治体等に、賃金引上げの流れを中小企業・小規模事業者の労働者及び非正規雇用労働者に波及させるための協力依頼の文書が発出されています。
 また、特に非正規雇用労働者が多い業界の団体等に対し、厚生労働省から直接働きかけを実施するとしています。
 さらに、同一労働同一賃金に関するパート・有期雇用労働法及び労働者派遣法の履行確保のための取り組みの強化が行われるとともに、併せて中小企業等への各種支援の充実や広報活動を強化し、賃金引上げに取り組む中小企業等を支援するとのことです。具体的な支援策は参考リンクにあるパンフレットにまとめられています。

 これらに加え、同一労働同一賃金に関しては、本来は労働局が主管となるところ、労働局が新たに労働基準監督署と連携し、同一労働同一賃金の遵守を徹底するとともに、キャリアアップ助成金等を活用し、非正規雇用労働者の待遇改善を支援する取り組みも発表されています

 企業としてはさらに同一労働同一賃金の面で課題が生じていないかを確認する必要があるのでしょう。


参考リンク
厚生労働省「「非正規雇用労働者の賃金引上げに向けた同一労働同一賃金の取組強化期間」(3/15~5/31)を設定します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31941.html
(宮武貴美)