73.3%の企業が中途採用者の賃上げを実施の方向

 毎朝、新聞を開く度に、賃上げに関する記事を目にする日々が続いています。今春の賃上げはウクライナ危機や円安による物価上昇の対応が目的とよく言われますが、実際には深刻な採用難の中で採用競争力を高めるために若手を中心とした賃上げを行っているという要素が強いと感じます。そこで本日は、マイナビが公開した「企業の雇用施策に関するレポート(2023年版)」から、企業の2023年度中途採用者の賃上げの動向について見ていきたいと思います。なお、この調査は、2022年12月16日~12月20日に、従業員数3名以上の企業において、直近(2022年1~12月)に中途採用業務を担当しており、「採用費用の管理・運用」に携わっている人事担当者を対象に実施されたもので、有効回答数は1,400件となっています。

 これによれば、2023年度の中途採用者の賃上げの意向は以下のようになっています(左は前年度、右は今年度)。
22.4%→35.4% 前年度より10%以上の水準で上げる予定
14.4%→18.8% 前年度より4%以上10%未満の水準で上げる予定
15.6%→15.7% 前年度より1.5%以上4%未満の水準で上げる予定
3.6%→3.4% 前年度より1.5%未満の水準で上げる予定
34.7%→20.5% 前年度と変わらない予定
1.4%→0.9% 前年度より下げる予定
7.9%→5.3% わからない 

 上4つの「中途採用者の賃金を上げる予定」を合計すると、2023年度は73.3%となり、前年度の56.0%を大幅に上回っていることが分かります。一方、現従業員の賃金を上げるという回答も74.8%となっており、今年度は人材採用に向けた賃上げの年になることが予想されます。


参考リンク
マイナビ「企業の雇用施策に関するレポート(2023年版)」
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20230323_47603/

(大津章敬)