給与明細等の電子化に係る従業員同意手続き等を含む税制改正の内容
国税庁より、令和5年4月の「源泉所得税の改正のあらまし」のパンフレットが公開されました。この中から、給与計算の実務に影響する内容を2つ確認しましょう。
1.給与明細等の電子化における同意
これまで給与等の支払明細書(給与明細)等を電磁的方法により従業員に交付するときには、従業員の同意が必要になっていましたが、令和5年度税制改正において、「給与所得の源泉徴収票」及び「給与等の支払明細書」については、会社が従業員から電子交付の承諾を得ようとする際に、「会社が定める期限までに承諾に係る回答がない時は承諾があったものとみなす」旨の通知をあらかじめ従業員に行い、その期限までに従業員からの回答がなかった場合には、電子交付の承諾があったものとみなされることとなりました。
2.扶養控除等申告書の記載の省略
「給与所得者の扶養控除等申告書」は、毎年、従業員が記載をして会社に提出する必要がありました。この内容について、その申告書に記載すべき事項がその年の前年の申告内容と異動がない場合には、その記載すべき事項の記載に代えて、その異動がない旨の記載によることができることとされました。
これは、令和7年1月1日以後に支払を受けるべき給与等について提出する「給与所得者の扶養控除等申告書」について適用されます。
1.に係る内容は、Q&Aが国税庁のホームページに公開されています。併せて確認してもよいでしょう。
参考リンク
国税庁「令和5年4月源泉所得税の改正のあらまし」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0023004-040.pdf
国税庁「国税庁「給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)に係るQ&A」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hotei/denshikofu-qa/question.htm
(宮武貴美)