来春卒業予定の大学生の地元(Uターン)就職希望率は62.5%

 共働き世帯の増加などを背景に、転勤を希望しない労働者が増加し、地域限定正社員などの仕組みを導入する企業が多くなっていますが、新卒についても以前から一定数、地元(Uターン)就職の希望が見られます。本日はマイナビの「2024年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査」の中から、来春(2024年3月)卒業予定の大学生の意識について見てみましょう。

 地元(Uターン)就職について「希望する」と「どちらかというと希望する」の割合は、24年卒で62.6%となりました。過去10年程度の結果と比較すると、もっともこの値が大きかったのはリーマンショックによる雇用危機が続いていた14年卒の69.8%で、その後、徐々に低下していましたが、コロナ以降、再びこの数値が上昇し、21年卒:54.9%→22年卒:57.8%→23年卒:62.6%→24年卒:62.6%となっています。
 
 これまでは雇用環境が悪い時期には競争が厳しい都市部の大手企業を避け、地元で就職する意識が強まり、雇用環境が良いときにはその逆の傾向が見られています。ここ数年はコロナによる環境の不透明さに加え、リモートの普及により地元企業のセミナーや面接に気軽に参加できるようになったことが数値上昇の原因であると考えられます。

 この調査の中でも、57.9%が「セミナーの実施形式が参加申し込みに影響したことがある」と回答しておいr、45%がWEB参加OKだったのでエントリーすることにしたセミナーがあるとしています。新卒採用に苦しむ地方企業は多いと思います。今後、採用力を高めるため、ネットでの積極的な情報発信とリモートでの採用活動の工夫が求められます。


参考リンク
株式会社マイナビ「マイナビ2024年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査(2023/5/10)」
https://saponet.mynavi.jp/column/detail/20230502143916.html

(大津章敬)