厚労省の審議会 全国加重平均1,002円の最低賃金額改定の目安示す
地域別最低賃金は例年おおむね10月に改定されています。今年も都道府県ごとでの審議が始まるタイミングで、厚生労働省の中央最低賃金審議会から、2023年度地域別最低賃金額改定の目安が公開されました。
今年度は都道府県の経済実態に応じ、全都道府県をA(6都府県)・B(28道府県)・Cの3つのランク(13県)に分けて、引上げ額の目安を提示しています。そして各ランクの引上げ額の目安について、Aランク41円、Bランク40円、Cランク39円と示しました。各都道府県に適用される目安のランクは以下の通りです。
【Aランク】
埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪
【Bランク】
北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡
【Cランク】
青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
仮に目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合の全国加重平均は1,002円となります。この場合、全国加重平均の上昇額は41円(昨年度は31円)となり、1978年度に目安制度が始まって以降で最高額となります。また、引上げ率に換算すると4.3%(昨年度は3.3%)となります。
正式な最低賃金額は、地方最低賃金審議会を経ての決定になりますが、大幅な引上げになることは確実な状態です。今のうちから、仮に引上げ額通りとなった場合に最低賃金額を下回る従業員がいないか、確認の上、対策を検討しておきたいところです。
参考リンク
厚生労働省「令和5年度地域別最低賃金額改定の目安について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34458.html
(宮武貴美)