マイナポータルの活用により利便性が上がる確定申告

 会社に雇用される従業員の多くの人は、会社が行う年末調整により年間の所得税の納付が完了します。ただし、他の企業で副業をしていたり、医療費等の各種控除を受けようとするときには、確定申告が必要になります。

 この確定申告は、国税庁の支援ツールが作成されること等により利便性が上がっていましたが、来年(2024年)2月より、企業が税務署にe-Taxで給与所得の源泉徴収票を提出したときには、マイナポータルと連携することにより、その情報を確定申告書の該当項目に自動入力されるようになり、さらに利便性が向上することが期待されています。

 この自動入力は、企業がe-Taxで提出し、従業員が国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」からマイナンバーカードを利用してe-Taxで申告するときに利用できるものですが、すでに医療費・ふるさと納税の控除、生命保険・地震保険の控除、住宅ローン控除関係ではマイナポータルと連携されています。

 マイナンバーの利活用で電子化が進み、従業員からもこのような仕組みを使いたいいう要望が出てくるかもしれません。利用している給与計算ソフトの対応も確認しつつ、どのような対応ができるか企業でも考えていくとよいのでしょう。


参考リンク
国税庁「「給与所得の源泉徴収票」はe-Taxで!【事業者用ページ】」
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/mynumberinfo/kyuyogensenjoho-jigyousyapage.htm
(宮武貴美)