自動車運送事業者に対する行政処分等の基準改正案 パブリックコメントの内容
2023年3月に我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議が設置され、2023年6月に「物流革新に向けた政策パッケージ」が取りまとめられました。この政策パッケージの中で、悪質な事業者が利益を得るといったモラルハザードを生じさせないよう、法令遵守への意識が低く、悪質な法令違反が常態化していると認められるトラック事業者に対し、強力かつ重点的に改善を促す観点から、適正化実施機関が行う巡回指導の強化に伴い、国の監査体制を充実させ、悪質事業者に対する監査を強力に実施するとされました。
今回、この政策パッケージに盛り込まれた項目等を具体化するため、行政処分等の基準の改正が予定され、パブリックコメントが実施されています。
具体的には、改善基準告示に関する違反が計6件以上発覚した事業者に対して、初違反の場合、1件当たり2日車、再違反の場合1件当たり4日車の車両使用停止にするとしています。現在は、違反が6件以上15件以下の場合、初違反10日車、再違反20日車の停止、16件超の場合は、初違反20日車、再違反40日車の停止となっていることから、例えば今後6件の場合、初違反12日車となり、現在よりも処分日数が増えることになります。
今年8月に通達が発出され、2025年1月の施行予定となっています。これ以外にも点呼の未実施についての処分も強化される予定です。該当する事業者は、早めに内容をチェックしておきましょう。
参考リンク
パブリックコメント「自動車運送事業者に対する行政処分等の基準の改正案に関する意見募集について」
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public
(福間みゆき)