【答申】令和6年度地域別最低賃金額改定の目安は全国一律の50円に

 木曜日に行われた中央最低賃金審議会目安に関する小委員会の報告を受け、様々なメディアで報じられている令和6年度地域別最低賃金額改定の目安ですが、2024年7月25日の午後、正式に中央最低賃金審議会から厚生労働大臣に対して答申が行われました。

 各都道府県の引上げ額の目安については、ランクに関係なく、全国一律で50円とされています。

 今後はこの答申を参考にしつつ、各地方最低賃金審議会で答申を行い、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定することとなります。なお、最低賃金の差異の縮小を進める方針が示されていること、また最低賃金が高い県への労働力の流出を抑える必要があることから、最低賃金が低い県を中心にこの目安よりも高い引き上げが行われる可能性が高いと思われます。

 仮に目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合の全国加重平均は1,054円となります。この場合、全国加重平均の上昇額は50円(昨年度は43円)となり、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額となります。また、引上げ率に換算すると5.0%(昨年度は4.5%)となります。
 
 中小零細企業にとっては重い負担となりますが、骨太の方針では2030年代前半に全国加重平均で1,500円を達成する方針が示されていることから、そこからの逆算でなすべきことの検討が求められているのは間違いありません。


参考リンク
中央最低賃金審議会「令和6年度地域別最低賃金額改定の目安について(答申)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41785.html

(大津章敬)