15.7%の企業でカスハラの被害が発生
最近、カスタマー・ハラスメント(以下、「カスハラ」という)が多くの企業で問題となっています。本日はその最新の実態を調査した帝国データバンクの「カスタマーハラスメントに関する企業の意識調査」結果を取り上げます。なお、この調査の対象は全国27,159社で、有効回答企業数は11,068社となっています。
(1)直近1年以内のカスハラなどの被害有無
全体 ある15.7% ない65.4% 分からない18.8%
大企業 ある21.0% ない49.7% 分からない29.2%
中小企業 ある14.8% ない68.3% 分からない16.9%
小規模企業 ある14.4% ない71.6% 分からない14.0%
(2)直近1年以内にカスハラなどの被害を受けた企業割合(業種別)
34.1% 小売
30.1% 金融
23.8% 不動産
20.2% サービス
15.8% 農林水産
14.5% 建設
13.1% 卸売
12.9% 運輸・倉庫
7.8% 製造
このように全体で15.7%の企業でカスハラの問題が発生しており、中でもエンドユーザーと直接接点を持つ業種で多く発生していることが分かります。
これに対して、カスハラや不当な要求への対応策や取り組みの上位は以下のようになっています。
20.1% 顧客対応の記録
12.3% カスハラを容認しない企業方針の策定
9.6% カスハラ発生時のサポート体制の構築
8.2% 被害者への相談・通報窓口の設置
8.2% 警察や警備会社、行政との連携
6.7% カスハラに対応する研修の実施
6.7% 顧客への周知・啓発
今後、パワハラ同様の防止措置を企業に義務付けるなどの検討も行われているようです。実際にカスハラの問題が発生している事業所では、法制化を待つことなく、早めに対応策を取るようにしましょう。
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参考リンク
帝国データバンク「カスタマーハラスメントに関する企業の意識調査(2024/7/23)」
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p240716.html
(大津章敬)