日・ポーランド社会保障協定締結へ

 企業活動のグローバル化が進んでいますが、海外で働く場合においては、原則として働いている国の社会保障制度に加入をする必要があります。そのため、日本から海外に派遣された企業駐在員等については、日本の社会保障制度との保険料と二重に負担しなければならないケースが生じています。しかし、日本や海外の年金を受け取るためには、一定の期間その国の年金に加入しなければならない場合があるため、その国で負担した年金保険料が年金受給につながらないことがあります。この問題を解決すべく、以下2点を目的として社会保障協定の締結が進められています。

  1. 「保険料の二重負担」を防止するために加入するべき制度を二国間で調整する(二重加入の防止)
  2. 年金受給資格を確保するために、両国の年金制度への加入期間を通算することにより、年金受給のために必要とされる加入期間の要件を満たしやすくする(年金加入期間の通算)

 先日、日本とポーランド両国政府は、東京において、日・ポーランド社会保障協定の締結に向けた第2回政府間交渉を実施し、同協定について今般実質合意に至りました。今後、両国で、本協定の早期署名に向けた協定案文の確定等の必要な作業及び調整が行われます。
 
 これにより今後、日本・ポーランド両国からそれぞれ相手国に派遣される企業駐在員等について、日本・ポーランド双方の社会保障制度への加入の課題が解決され、両国間の人的交流及び経済交流がさらに促進されることとなるでしょう。


参考リンク
厚生労働省「日・ポーランド社会保障協定交渉で実質合意しました」
https://www.mhlw.go.jp/stf/pressrelease_nenkin20240920_00001.html
日本年金機構「社会保障協定」
https://www.nenkin.go.jp/service/shaho-kyotei/shaho.html

(大津章敬)