約6割の企業が新入社員の受け入れ方法や人事制度を変更予定

 9月30日の記事「若年正社員の転職希望 男性27.7%・女性35.1%」でも触れた通り、転職希望者も増加傾向にありますが、若年層の働き手による「キャリアの自律」への関心が高まっているようです。学情は、これから社会人になる学生の「就職における価値観の変化」に関する調査として実際に学生と接する企業の人事担当者にアンケートを実施しました。今回はその調査結果を見ていきたいと思います。


(1)採用活動や新入社員の受け入れにおいて、これまでの世代との違いや価値観の変化を感じることはありますか?
28.6% 感じることがある
39.6% どちらかと言えば感じることがある
23.3% どちらとも言えない
  3.8% どちらかと言えば感じることがある
  4.7% 感じることはない

 このように採用や新入社員の受け入れで、これまでの世代との違いや価値観の変化を「感じることがある」との回答が約 7 割に上りました。
 
(2)価値観の変化や「キャリアの自律」への関心の高まりを受けて、新入社員の受け入れ方法や人事制度の変更を予定していますか?
14.6% 変更した
43.9% 変更はしていないが、変更を検討している
41.5% 変更は検討していない

 新入社員の受け入れ方法や人事制度を「変更した」「変更はしていないが、変更を検討している」を合わせると、約 6 割の企業が、受け入れ方法や人事制度を変更した、または変更を予定していると回答しています。

(3)新入社員の受け入れ方法や人事制度について、変更・変更の検討をしていること(複数回答可)
【上位5項目】
60.6% 研修制度
45.1% 給与体系
39.8% 配属方法
34.5% 評価制度
33.3% 働き方に関する制度

 新入社員の受け入れ方法や人事制度について、変更を実施・検討していることは「研修制度」がもっとも多く、次いで「給与体系」「配属方法」「評価制度」「働き方に関する制度」が続きました。
 
 同調査では、人事担当者の声として「自身が学んできたことや、保有している資格を活かしたいと考えている人が多い印象」「『仕事を通して成長できるか』や『社会にどう貢献できるか』を重視していると感じる」「研修内容やキャリアプランについて聞かれる機会が増えた」「自分のやりたいことや目標が明確で、それに向けて行動していると感じる」といったコメントも紹介されています。


 人事部門には、若年層のキャリア自律へのニーズを満たしながら、社員の定着・活躍を実現するというような、難易度の高い制度設計を実現していくことが求められていることが伺えます。


参考リンク
学情「「就職における価値観の変化」に関する企業調査(2024年9月)
(2024/9/30)」
https://service.gakujo.ne.jp/wp-content/uploads/2024/09/240930-comenq.pdf

(菊地利永子)