「カスハラ」等が労働・組織関連トピックにおけるネット投稿増加率上位ワードに(2024年上半期)

 パーソル総合研究所が2023年よりスタートさせたプロジェクト「はたらくソーシャル・リスニング」では、労働・組織に関わるトピック・トレンドの現状理解と雇用関連のトレンドの動態的な把握を行うことを目的として、日本全国のSNS、ブログ、ニュース、掲示板、レビューサイトなどから「労働」「人材マネジメント」「組織」「働く」関連のワードが含まれる投稿について分析を行っています。今回は、先般公開された2024年上半期の調査・分析結果に注目していきたいと思います。

 調査レポートによると、2024年上半期(4月1日-9月30日)と2023年同期の投稿データ比較の結果、2024年上半期の投稿増加率上位ワードは以下の通りとなりました。

【投稿増加率上位5ワード】 ※メンション数:該当キーワードの投稿回数
 順位:キーワード(2024年※メンション数/増減率) 
 1 位:通称使用(61,950/999.2%)
 2 位:スポットワーク(35,700/620.9%)
 3 位:カスハラ/カスタマーハラスメント(580,150/573.6%)
 4 位:2025年の崖(5,150/515.0%)
 5 位:人手不足倒産(55,450/471.9%)

 このように、特に「カスハラ」については、投稿増加率だけでなく投稿数そのものが多く、今年最も話題を集めたワードの一つとして、また、今後も増加が予想されるワードの一つとしても、報告レポート内で取り上げられています。

 顧客からの迷惑行為・過剰要求であるカスハラについては、来春の東京都の防止条例の施行、その後の女性活躍推進法改正など法規制強化の流れが加速すると同時に、独自に対策を進める企業についても話題になっています。今後、労働者の安全配慮義務の観点から対応を迫られる事業主が増えることにりそうです。


参考リンク
パーソル総合研究所「はたらくソーシャル・リスニング/24年上半期」
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/assets/social-listening-2024fh.pdf
厚生労働省「顧客等からの著しい迷惑行為(いわゆるカスタマーハラスメント)について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html
東京都TOKYO はたらくネット「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/plan/kasuhara_jourei/index.html

(菊地利永子)