部長の74.6%が「管理職になって良かった」と回答

 近年は多くの企業で管理職になりたがらない社員が増加しているとの悩みを聞くことが増えています。その一方、実際の管理職については、仕事に対する満足度や悩みはどのような状態にあるのでしょうか。今回はマイナビ転職が実施した「管理職の悩みと実態調査」の結果を見ていくこととしましょう。なお、この調査の対象は20~50代の会社勤務の管理職(主任・プロジェクトリーダーを除く)で、有効回答数は800名となっています。
(1)管理職になって良かった割合
 以下のように職位が上がっていくにつれ、良かったと回答する割合が高くなっています。
係長、チーム長 51.5%
課長 59.4%
次長 61.4%
部長 74.6%
本部長 80.0%

(2)管理職になって人生はどう変わったか(ネガティブ面)
75.8% 仕事の比重が増えた
68.9% 心身の健康が損なわれた
55.4% プライベートや家族との時間が楽しめなくなった
43.5% 転職を考えるようになった
40.0% キャリア的な将来の不安が増えた
39.0% 自分の人生が望まない方向に進んでいると感じる
38.9% 交友関係が減った
33.5% 自分に自信がなくなった
32.9% 金銭的な不安が減った

(3)管理職としての悩み
28.1% マネージャー業務の負荷が高い
27.0% パワハラなどハラスメントと言われるのを避けたい
24.0% 部下が成長しない・成長が遅い
21.9% 部下に言いたいことがあっても我慢している(指摘できない)
21.5% 部下のフォロー(ミスのチェックなど)が追い付かない
17.8% 孤独感を感じる
17.0% 部下と接する時間が足らない
16.9% 部下の残業の兼ね合いで業務を依頼できない
15.8% 1on1の時間が割けない
15.6% 部下を信頼できない

 このように実際に管理職になった場合の満足度は高いものの、業務負荷の大きさから、健康不安なども大きくなっているという課題が見えてきています。継続的に組織を運営していくためには、管理職が疲弊せず、安定的なパフォーマンスをあげることができる環境の構築が不可欠です。部下との関係構築に苦心している姿も見える結果となっていますので、会社としても管理職をバックアップし、よい組織づくりを進めていきましょう。


参考リンク
マイナビ「マイナビ転職、「管理職の悩みと実態調査」を発表(2025/1/9)」
https://www.mynavi.jp/news/2025/01/post_46227.html

(大津章敬)