コロナ禍を経て低下した歓迎会・懇親会の開催率、2024年は23.8%
4月には新入社員を迎えたという職場も多いと思いますが、株式会社東京商工リサーチの調査によると、2024年の企業における歓迎会・懇親会の開催率は23.8%と、コロナ禍以降で最低となりました。ここ数年の推移を見ると、コロナ前は51.8%だったものが、コロナ禍の2022年は最低の5.3%まで落ち込み、コロナ禍が落ち着いた2023年は27.9%まで回復したが、その後は横ばいから微減となっています。
この結果は、コロナ禍を経て労働者の意識が大きく変化し、従来の慣習にとらわれない働き方や人間関係を求める傾向が強まっていることを示唆しています。コロナ禍のリモートワーク経験は、多くの労働者にとってワークライフバランスを見直す契機となりました。通勤時間の削減や柔軟な働き方は、プライベートの充実や自己啓発に時間を費やすことを可能にし、仕事とプライベートのメリハリを重視する意識が高まっています。
また、ハラスメントに対する意識の高まりも、歓迎会・懇親会の在り方に影響を与えていると考えられます。
とはいえ、職場内のコミュニケーションの促進は重要なテーマであることから、今後も歓迎会・懇親会を企画することもあるでしょう。その際には、以下の点を考慮する必要があります。
(1)参加の強制を避ける
参加は任意とし、不参加者への配慮も忘れないようにしましょう。
(2)多様なニーズに対応する
アルコールを飲まない人や、短時間で帰りたい人など、多様なニーズに対応できるような形式を検討しましょう。最近はランチタイムにこうした交流イベントを行うケースも増えています。
(3)ハラスメント対策を徹底する
事前にハラスメントに関する研修を実施したり、注意喚起を促したりするなど、対策を徹底しましょう。
(4)目的を明確にする
歓迎会・懇親会の目的を明確にし、参加者にとって有意義な時間となるようにしましょう。
従来の慣習にとらわれず、新たな歓迎会・懇親会の形を模索することで、社員エンゲージメントの向上や組織活性化に繋げていきたいものです。
参考リンク
東京商工リサーチ「2025年「お花見、歓迎会・懇親会に関するアンケート」調査」
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1201270_1527.html
(大津章敬)

