規制改革推進会議、副業兼業時の労働時間通算見直しなどを含む答申を実施

 内閣府規制改革推進会議は、2025年5月28日に規制改革の答申をまとめました。その中で、労働関係の項目が複数ありますので、取り上げたいと思います。
〇スタートアップの柔軟な働き方の推進(裁量労働制の対象業務の検討等)

  • 裁量労働制に関する実態等を把握するための調査を行った上で、その結果を踏まえ、スタートアップにおける柔軟な働き方に資する検討に着手【7年度検討開始等】
  • スタートアップで働く役職者等の管理監督者への該当性の判断の考え方の更なる明確化【7年度検討開始等】

○副業・兼業の更なる円滑化に向けた環境整備

  • 副業・兼業を行う労働者の割増賃金の支払いに係る労働時間の通算管理や健康確保の在り方について検討【7年度検討・結論等】
  • ハローワークと副業・兼業を支援する地域の関係機関(商工会議所等)との連携など、副業・兼業のマッチング機能を向上させるための枠組みの構築 【7年度措置】

○時間単位の年次有給休暇制度の見直し

  • 労働者の選択肢を拡大し、通院、自己啓発、育児・介護等の多様なニーズに一層対応した働き方を実現するため、時間単位の年次有給休暇日数の拡大を検討(年5日→年休付与日数の50%等) 【7年度結論】

○職業紹介責任者の専任規制の見直し

  • デジタル技術の徹底活用等により、事業所ごとに専属の職業紹介責任者を選任する義務について、複数事業所での兼任可能とする方向で見直しを検討【7年度末を目途に結論等】

○高卒就職者に対する求人情報の直接提供等

  • 生徒による求人票直接閲覧を実現し、求人票の公開時期の前倒し(夏休み前の7月から1~2か月)【7年度検討・結論等】
  • 慣習となっている校内選考は不要であることを学校への通知等により明確化【措置済】

 この答申の内容がすべて実現するというものではありませんが、今後の法改正の議論を見守っていきましょう。


参考リンク
内閣府「第23回規制改革推進会議(2025/5/28)」
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/committee/250528/agenda.html
首相官邸「総理の一日・規制改革推進会議」
https://www.kantei.go.jp/jp/103/actions/202505/28kiseikaikaku.html

(大津章敬)