連合の2025年賃上げ最終集計は昨年超えの16,356円(5.25%)

 連合が今春の賃上げの最終集計結果を公表しました。そのポイントは以下のとおりです。

  • 月例賃金改善(定昇維持含む)を要求した5,599組合中5,475組合が妥結済み(97.8%)。うち賃金改善分獲得が明らかな組合は3,189組合・58.2%で、比較可能な2013闘争以降では組合数・割合とも最も高い。
  • 平均賃金方式で回答を引き出した5,162組合の加重平均(規模計)は16,356円・5.25%(昨年同時期比1,075円増・0.15ポイント増)となった。1991年(5.66%)以来33年ぶりの5%超えであった昨年を上回った。
  • 300人未満の中小組合(3,677組合)は、12,361円・4.65%(同1,003円・0.20ポイント増)であった。規模計と中小組合のいずれも昨年同時期を上回っている。
  • 賃上げ分が明確にわかる3,594組合の賃上げ分は11,727円・3.70%(同1,033円増・0.14ポイント増)、うち300人未満の中小組合2,285組合の加重平均は9,468円・3.49%(同1,212円増・0.33ポイント増)で、賃上げ分が明確にわかる組合の集計を開始した2015闘争以降の最終集計結果と比べ、最も高い。
  • 有期・短時間・契約等労働者の賃上げ額は、加重平均で、時給66.98円(同4.28円増)、昨年同時期を上回った。時給の引上げ率(概算)は5.81%で、一般組合員(平均賃金方式)を上回っている。

 このように今春の賃上げは、歴史的な春闘となった昨年を上回る結果となっています。また今年の傾向としては、有期・短時間・契約等労働者の引上げ率が一般組合員を上回ったという点が特筆されるでしょう。

 大企業と比べ収益性に劣る中小企業においては、賃上げ疲れが出ていますので、今後の動向には注意が必要ですが、30年間上がらなかった我が国の賃金が確実に上昇を開始したことは間違いありません。


参考リンク
連合「2025春季生活闘争 第7回(最終)回答集計結果」
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2025/yokyu_kaito/kaito/press_no7_all.pdf?5751

(大津章敬)