新卒入社3年~5年未満社員の75.4%が「静かな退職」を実践中と回答

 最近、「静かな退職」というキーワードを耳にすることが多くなってきました。これには様々な定義がありますが、今回紹介するパーソルイノベーションの調査の中では、「キャリアアップや昇進などを目指さずに必要最低限の仕事をこなすはたらき方」と定義されています。以下では同社の「『静かな退職』と副業の実態調査」の結果を見ていきましょう。なお、本調査の対象は、全国の企業に勤める会社員20~49歳の男女で対象人数は661人となっています。
 
 まず、「静かな退職」という言葉に共感するかという質問に対しては、26.2%が「非常に共感する」、46.5%が「やや共感する」と回答し、全体の72.7%が共感するという結果になっています。これを年代別で見ると、新卒入社3~5年未満ではなんと89.5%が共感すると回答しており、若手従業員においては仕事に対する意識が大きく変化していることが分かります。共感する理由については、「ワークライフバランスを重視したい」が45.3%となっており、次いで「昇進・昇格に関心がない・したくない」が33.6%となっています。
 
 また「あなたは静かな退職を実践していますか」という設問については、全体の37.7%が「はい」と回答しており、詳細を見ると、以下の回答率が特に高くなっています。
 女性 20~29歳 59.1%
 新卒入社 3~5年未満 75.4%
 
 副業兼業などの多様な働き方が増え、また人手不足による売り手市場にあることなども影響しているのではないかと思われますが、本業で雇用している企業からすれば深刻な状態にあるとも言え、キャリアパスの明確化など対策が求められます。


参考リンク
パーソルイノベーション「『静かな退職』と副業の実態調査」
https://www.persol-innovation.co.jp/news/2025-0731-1

(大津章敬)