働く上で「働く喜び」が必要という回答が82.6%

 日本人には、仕事を単なる収入を得るための手段として捉えない感覚が強いと言われます。本日は、インディードリクルートパートナーズの「働く喜び調査2024」の結果から、働く喜びの必要性とその要素についてみていきたいと思います。なお、この調査は、全国の15歳~64歳の就業者を対象に実施されたもので、有効回答数は6,519人となっています。

(1)働く上で「働く喜び」が必要か
18.3% とても必要だと思う
37.0% 必要だと思う
27.3% やや必要だと思う
12.9% どちらともいえない
2.3% あまり必要なと思わない
1.0% 必要だと思わない
1.2% 全く必要だと思わない

 「必要だと思う」の合計は82.6%となっており、圧倒的多数の人が働く上において「働く喜び」が必要と考えていることが分かります。
 
(2)実際に働く喜びを感じているか

4.0% 非常に感じている
13.9% 感じている
24.1% やや感じている
24.8% どちらともいえない
15.4% あまり感じていない
8.6% 感じていない
9.2% 感じていない

 このように実際に「働く喜び」を感じている人は42.0%に止まっています。働く喜びが必要という回答とのギャップが気になるところです。
 
(3)働く喜びを構成する要素
 それでは働く喜びのもととなる構成要素の中で、特に影響が多いものは何になるのでしょうか。「当てはまる」という回答が多い要素の上位は以下のようになっています。
69.5% 日々、自分がやるべき仕事がある
67.3% 自分の役割がある
56.7% 気さくに話せる人がいる
56.6% 安定的に収入を得ている
56.1% 協力してくれる人がいる
54.9% 職場に自分の居場所がある
54.5% 生活していくために必要な収入を得ている
52.1% 会社の一員として認められている
51.8% 信頼できる人がいる

 このように、役割や居場所があるという内容と周囲の人間関係が働く喜びに大きな影響を与えていることが分かります。なお、2015年調査との差が大きなものも見ておきましょう。
+8.7% 安定的に収入を得ている
+8.3% 自外の内容に見合った収入を得ている
+8.0% 自由に使える収入を得ている
+7.6% 思い続けてきた希望がかなえられている
+7.3% これまでの世の中の価値観ややり方を超えることができている
+7.3% 希望する場所で働けている
+7.0% 専門分野を極めている

 このように収入に関する項目がトップ3となっています。昨今、物価高騰と賃上げが続いている環境にあることから、収入という衛生要因の解消が生活および仕事の安心感を高め、結果的に喜びにも繋がっていると考えられます。
 
 いずれにしても仕事に喜びを求めるという感覚は、日本人の高い勤労意欲のベースにあるものであり、これからも大事にしていきたいものです。


参考リンク
インディードリクルートパートナーズ「働く喜び調査2024(2025/7/31)」
https://jbrc.recruit.co.jp/data/data20250731_3892.html

(大津章敬)