20年代転職者の平均決定年収額は2019年度上期より13%増加

 ここ数年の賃上げ、そして人手不足による人材獲得競争の激化により、賃金水準が上昇しています。そこで本日は、パーソルキャリアが公表した2025年度上期版「年代別 転職時の年収変動レポート」から、2019年度上期と比較した転職者の年代別年収変動について見ていきたいと思います。

 まず同社のdodaエージェントサービスを利用した2025年度上期の転職者数は2019年度上期と比較して以下のように大幅に増加しています。特に40代の大幅の伸びが、現在の即戦力人材を求める状況をよく表していると思われます。
 20代 1.8倍
 30代 1.6倍
 40代 2.1倍

 次に転職による年収変動ですが、年代別に見ると以下のような傾向が見られます。
(1)20代転職者

  • 2019年度上期は横ばいであったが、2025年度上期は5%増加
  • 平均決定年収額は2019年度上期と比較して13%増加
  • 決定年収の分布では、2019年度上半期は66%が400万円未満で最多であったが、これが45%に減少し、400万円以上600万円未満が51%に増加

(2)30代転職者

  • 2019年度上期は472万円から462万円に減少していたが、2025年度上期は495万円から503万円に微増
  • 平均決定年収額は2019年度上期比で9%増加
  • 決定年収の分布は、ボリュームゾーンである「400万円以上~600万円未満」の割合はほぼ変わらないものの、600万円以上の割合合計が2019年度上期比で11%増加の22%

(3)40代転職者

  • 2019年度上期・2025年度上期ともに減少傾向
  • 平均決定年収額は2019年度上期比で約4%増加。
  • 決定年収の分布をみると、600万円未満は減少。800万円以上の割合合計が10%となり、19年度比で5%増加

 このように2019年度上期と比較するといずれの年代でも決定年収額が増加しています。この傾向は今後も続くと予想されますので、賃金決定においては内部公平性に加え、外部労働市場との相当性を意識することが重要になっています。


参考リンク
パーソルキャリア「2025年度上期版「年代別 転職時の年収変動レポート」」
https://www.persol-career.co.jp/newsroom/news/research/2025/20251016_1979/

(大津章敬)