実質賃金1%上昇を目指す連合「2026春季生活闘争 闘争方針(案)」
街はすっかりクリスマスムードとなっていますが、年が明ければ再び春闘の時季を迎えます。
直近3年間で賃上げの動きは加速し、2年連続で5%台の賃上げとなっていますが、先日、連合は「2026春季生活闘争方針(案)」を公表しました。そのポイントは以下の通りです。
- 2026春季生活闘争において、日本の実質賃金を1%上昇軌道に乗せ、これからの“賃上げノルム”としていくことをめざす。
- 賃上げがあたりまえの社会の実現に向け、全力で賃上げに取り組み、社会全体への波及をめざす。
- すべての働く人の生活を持続的に向上させるマクロの観点と各産業の「底上げ」「底支え」「格差是正」の取り組み強化を促す観点から、全体の賃上げの目安は、賃上げ分3%以上、定昇相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め5%以上とし、その実現にこだわる。
- 中小労組などは、この間の賃上げ結果や賃金水準を点検し、格差是正分を積極的に要求する。
- 賃金実態が把握できないなどの事情がある中小労組は、上記目標値に格差是正分1%以上を加えた18,000円以上・6%以上を目安とする。
- 雇用形態間格差是正をはかるため、7%を目安に少なくとも地域別最低賃金の引き上げ率を上回る賃金引き上げに取り組む。
骨太の方針2025では、「持続的・安定的な物価上昇の下、物価上昇を1%程度上回る賃金上昇をノルムとして定着させる」との方針が示されていますが、今回の連合の方針案もそれをベースとし、その早期定着を目指すとしています。
賃金は引き続き上昇局面にありますので、企業としてはその原資を安定的に確保するための収益性の向上を進めると共に、賃上げによって影響を受ける賃金制度のメンテナンスも実施するようにしましょう。
参考リンク
連合「2026年春闘」
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/index2026.html
(大津章敬)

