中小企業の2026年賃上げ率見込みは前年を上回る3.03%

1月末となり、そろそろ今春の賃上げが気になる時期となってきましたが、中小企業の賃上げの実態に関する資料は少なく、なかなか実態が見えないものです。そこで今回は商工中金が公表した「【詳細版】中小企業の賃上げの動向について」から、今春の中小企業の賃上げ見込みについて見ていきたいと思います。なお、この調査は商工中金の取引先中小・中堅企業2,216社を対象に実施されたものです。

そのポイントは以下のようになっています。

  • 「定例給与・時給」について賃上げ実施割合は実績見込・計画ともに過年度の調査より上昇し、47.8%
  • 「全従業員を対象に引き上げ」を実施する見込み企業の割合(その他、未定を除く)は、経常利益率が高いほど上昇する傾向が見られるが、経常赤字の企業でも63.3%の超える企業で「全社員を対象に引き上げ」を実施見込み。
  • 賃上げ率は2025年実績見込で3.35%と前年同時期調査の2024年実績見込(3.33%)並を維持。
  • 2026年計画は3.03%と前年同時期調査の2025年計画2.90%を上回る結果に。
  • 経常利益率が高いほど賃上げ率も高く、経常利益率5%以上企業では3.64%。一方、経常赤字の企業でも3.07%の賃上げ率となっている。

経常赤字の企業でも、従業員のモチベーションの維持・向上や人材確保(採用)のために賃上げを行っている現状が見えてきます。ここ数年の賃上げで労働分配率が大きく上昇している企業も多く、中小企業の賃上げ余力が限界に来ている点が懸念されます。


参考リンク
商工中金「【詳細版】中小企業の賃上げの動向について(商工中金景況調査2025年11月調査トピックス分)2026/1/16」
https://www.shokochukin.co.jp/report/data/assets/pdf/topics260116.pdf

(大津章敬)