カスハラにより52.1%が「仕事に対する意欲が減退した」と回答
2026年4月7日の記事「カスハラ防止対策の取組み状況は38.5%、1,000人以上企業では82.3%」では、東京都の「令和7年度 カスタマーハラスメントに関する実態調査」の報告書の中から、企業調査の結果をお伝えしました。この調査では、従業員調査も行われていますので、本日はそのポイントを見ていきたいと思います。
(1)「カスタマーハラスメント(カスハラ)」という言葉の認知度については、以下のように「言葉も意味も知っていた」という回答が88.4%となっており、一般的に認知されていることが分かります。
88.4% 言葉も意味も知っていた
9.9% 言葉は知っていたが、意味は知らなかった
1.7% 言葉も意味も知らなかった
(2)過去1年間におけるカスタマーハラスメントの被害等の有無については、11.9%が「被害にあった」、29.0%が「被害にあったことはないが、見聞きしたことはある」と回答しており、その合計は40.9%となっています。企業調査では、、相談を受けた、もしくは見聞きしたことがあると回答の合計は25.5%に止まっていることからすると、会社が認識している以上にカスハラの問題が発生している、もしくは労使でのカスハラの線引きが異なるという状況が窺えます。
11.9% 被害にあった
29.0% 被害にあったことはないが、見聞きしたことはある
59.1% 被害にあったことも見聞きしたこともない
(3)カスタマーハラスメントを受けたことによる心身への影響としては、以下のように52.1%で「仕事に対する意欲が減退した」と回答しており、中には「眠れなくなった」、「通院して服薬した」といった心身への異常が発生している例も見られています。
84.3% 怒りや不満、不安などを感じた
52.1% 仕事に対する意欲が減退した
13.7% 眠れなくなった
3.5% 職場でのコミュニケーションが減った
3.1% 通院したり服薬をした
0.9% 会社を休むことが増えた
8.4% 特になかった
(4)カスタマーハラスメントを受けた後の職場での行動としては、24.9%が「何もしなかった」と回答しており、改めて方針の明確化、相談窓口の活用などが求められます。
66.2% 会社の上司や、専門家等に相談した
24.9% 何もしなかった
0.9% しばらく会社を休んだ
0.4% 会社を退職した
(5)今後、職場で実施してほしいカスタマーハラスメントの防止対策の上位は以下のようなっています。
42.8% カスハラを受けた従業員のケア
37.7% マニュアル(カスハラの判断基準や対応フロー等)の作成
37.3% カスハラを受けた従業員が相談できる窓口の整備
34.4% 行為者に対する措置(出入禁止等)
32.6% 実態把握のための調査
23.3% 録音・録画環境の整備
23.3% 基本方針等の作成
23.0% 従業員が取引先等から被害を受けた場合の取引先等への協力依頼
21.8% 教育・研修等の実施
19.3% 基本方針等の公表
このようにカスハラは企業の認識よりも実態が先行している可能性があります。10月の防止措置の義務化を控え、従業員の意見も聞きながら対策を進めていきましょう。なお、パワハラと適正な業務上の指導の線引きが曖昧であるように、カスハラと適正なご指摘の線引きも実態としては曖昧です。今回の対策にあたっては、この線引きの明確化と教育も重要なポイントになってくると考えられます。
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2026年4月7日「カスハラ防止対策の取組み状況は38.5%、1,000人以上企業では82.3%」
https://roumu.com/archives/130933.html
参考リンク
東京都産業労働局「令和7年度 カスタマーハラスメントに関する実態調査 報告書」
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/kaizen/ryoritsu/houkokusho_r7.pdf
(大津章敬)

