2026年夏季賞与は37.1%の企業で増加と回答

6月中旬となり、2026年の夏季賞与の支給がいよいよ本格化する時期となりました。今回は帝国データバンクが発表した「2026年夏季賞与の動向アンケート」の内容を見ていくこととします。

これによれば、従業員1人当たりの平均支給額が前年から「増加する」と回答した企業は37.1%に達し、前年比で3.4ポイント上昇しました。賞与ありという回答は前年を2.3ポイント上回る85.0%となっています。賞与が増加すると回答した企業の割合を企業規模別で見ると以下のようになっており、大企業では半数近くの企業で賞与が増加するという回答となっています。なお、()内は昨年の数値です。
全体 37.1%(33.7%)
大企業 44.4%(38.4%)
中小企業 36.0%(33.0%)
うち小規模企業 31.4%(27.0%)

また、正社員1人当たりの全体平均支給額は47.7万円と、前年から1.8万円の増加となっています。

このように一見すると、景気回復の恩恵を受けたポジティブな動きに見えますが、アンケート回答における様々な意見を見ると、経営者や人事担当者がいままさに直面している「二極化」と「防衛型賃上げ」の現実が浮き彫りになってきます。

賞与を「増加」させる企業の多くは、業績改善や、物価上昇・賃上げに対する価格転嫁が進んだことを理由に挙げています。しかし、その一方で目立つのが、「コスト増で先行きは不透明だが、人材確保のために引き上げるしかない」という、いわば「防衛型の増額」です。記録的な人手不足が続くなか、賞与の据え置きや減額は、そのまま従業員のモチベーション低下や離職に直結しかねません。物価高にあえぐ従業員の生活を下支えし、大切な人材をつなぎ止めるための「原資を削り出しての防衛策」として、賞与増額を選ばざるを得ない企業の苦渋の決断が読み取れます。

また今回の調査で注視すべきは、企業規模による「格差の拡大」です。夏ボーナスが「増加する」と答えた割合は、大企業では44.4%に上るのに対し、中小企業では36.0%、小規模企業に至っては31.4%にとどまっています。大企業と小規模企業との間には13.0ポイントもの開きがあり、原資を確保できる大手と、価格転嫁が追いつかない小規模・中小企業との体力差が如実に表れました。

イラン問題は解決の方向に動きつつありますが、不透明な経済環境だからこそ、目の前のボーナス支給額に一喜一憂するのではなく、5年先・10年先を見据えた自社らしい人材獲得・定着戦略へのブラッシュアップが求められています。


参考リンク
帝国データバンク「2026年夏季賞与の動向アンケート(2026/6/11)」
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260611-2026summerbonus/

(大津章敬)