労働日数実績に基づく判断が認められたシフト制労働者の年次有給休暇付与日数

規制改革推進会議が2026年6月29日に公表した「規制改革推進に関する答申」の中で、「シフト制における適正な年次有給休暇の取得等」という項目が掲げられていました。これは「シフト制労働契約では、具体的な労働日や労働時間がその都度確定されるため、年次有給休暇の日数の算定において参照される所定労働日数を判断し難い場合があり、実務上の支障が生じている」という課題認識に基づき、訪問介護労働者の非定型的パートタイムヘルパー等同様、「シフト制労働者についても、基準日において所定労働日数を算出し難い場合には、基準日直前の労働日数の実績を考慮して所定労働日数を算出することとして差し支えないとすべきである」という内容となっていました。

こうした動きを受けてと思われますが、令和8年6月19日に「いわゆる「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項」が改正され、労働日数の実績に基づく所定労働日数の算出が、シフト制労働者についても認められました。その内容は以下のとおりです。
(1)年休付与日数に関する原則
年休の付与日数は所定労働日数により決まりますが、その所定労働日数とは、基準日(継続勤務6か月経
過日から1年ごとの各期間の初日)に予定されている1週間の所定労働日数であり、週以外の期間によって所定労働日数が定まっている場合は、1年間の所定労働日数となるというのが原則です。
(2)今回の改正による対応
しかし、シフト制で働く労働者の場合、あらかじめ所定労働日数が定められていないというケースがあることから、今回の改正により、そのような場合には、次の日数を、基準日における1年間の所定労働日数とみなして年次有給休暇の付与日数を算出して差し支えないとされました。

  1. 雇入れ6か月経過後の年次有給休暇の付与に当たっては、雇入れから6か月間の労働日数の実績を2倍した日数
  2. 雇入れ1年6か月経過後以降の年次有給休暇の付与に当たっては、前年の労働日数の実績

これは実務上かなり大きな改正となります。是非、改正された「いわゆる「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項」をチェックし、実務に反映させてください。


参考リンク
厚生労働省「いわゆる「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項(改正 令和8年6月19日)」
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001713615.pdf
厚生労働省「いわゆる「シフト制」について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22954.html
規制改革推進会議「規制改革推進に関する答申(令和8年6月29日)」
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/opinion/260629.pdf
規制改革推進会議「第5回働き方・人への投資ワーキング・グループ シフト制における適正な年次有給休暇の取得等(2026年1月9日)」
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/2501_03human/260109/human05_agenda.html
訪問介護労働者の法定労働条件の確保について(平成16年8月27日厚生労働省労働基準局長通達)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb5448&dataType=1&pageNo=1

(大津章敬)