今春の新入社員の会社や社会に対する意識調査結果~日本能率協会

 社団法人日本能率協会は、今春入社の新入社員に対して「会社や社会に対する意識調査」を行い、先日その結果を発表した。そのポイントをいくつか挙げて、コメントをつけてみたいと思う。
将来担いたい役割(理想)と将来担っていると思われる役割(現実)
 将来、理想として自分が担いたい役割について見ると、「専門能力を発揮して仕事をしたい」(48%)、「バイタリティのあるマネジャーとして仕事をしたい」(18%)が全体の中で大きな割合を占めており、「指示された仕事をこなすサラリーマン」は6%に止まっているのだが、現実となると「専門能力を発揮して仕事をしたい」の占める割合が下がり、「指示された仕事をこなすサラリーマン」が27%に急増するという結果となった。新卒くらいもっと野望を持って欲しいものである。最終的には1人1人の個人のキャリア選択ではあるが、指示された仕事をこなすサラリーマンの労働市場における価値はますます低下し、年収500万にも満たなくなる時代は目の前に来ている。

 

就職活動に臨んだ気持ち
 就職活動に臨んだ気持ちについて見ると、「気に入った会社や仕事よりも、就職することを最優先に考えた」の比率が圧倒的に高く、70%に達している。また、昨年度との比較で見ると、6ポイント上昇しており、「やりたい仕事」以前に「まず就職」という意識が根付いていることがうかがえる。もっとも最近のニートやフリーターの問題に比べれば、まだ良いと思うが、逆に仕事の現実に幻滅して短期で離職する者が増えないか心配ではある。

 

(大津章敬)