国家公務員が賃下げするのなら、うちの会社も?
今朝の日経のトップに「国家公務員 昇給、能力や実績で差~人事院改革案 支給基準を細分化」というニュースが掲載されていました。まだ人事院のホームページには掲載されていませんので、報道レベルでの話になりますが、その骨子は以下のようになっているそうです。
□全国一律で基本給を5%程度下げ
□中高年職員は最大7%まで下げ
□民間賃金の高い地域に勤務する職員には新設の地域手当を支給
□勤務成績に基づく昇給制度の導入
□専門職対象の俸給表新設を検討
この改革案についてのコメントを寄せるつもりはありませんが、こういったニュースが掲載されると多くの企業の経営者の間で「国が賃下げをするのだから、当社でも当然行わないとやっていけない。国が良いのだから、別に法的な問題はないだろう。」という議論が巻き起こり、実務担当者が困ってしまうという場面に遭遇します。言うまでもありませんが、人事院が法律で労働条件を定める国家公務員の世界と、民間企業では法的な構成が異なりますので、そのような理屈は成り立ちません。合理性のない賃下げは就業規則の不利益変更の問題となり、労使トラブルの原因になりますので、ご注意下さい。
なお就業規則の不利益変更の問題は今の時代において非常に重要な論点ですので、また改めて取り上げたいと思います。
(大津章敬)