育児休業に関する経済的負担解消方法

 平成17年4月1日より改正された育児介護休業法では、育児休業期間の対象が「子が1歳に達するまで」から、条件付で「1歳6ヵ月に達するまで」に引き上げられました。これに伴い、社会保険料の免除期間等、各種制度が変更になっています。そこで育児休業に関する経済的負担を軽減するための制度の概要をまとめてみました。

 

1.育児休業基本給付金(雇用保険)
 雇用保険に加入している一定条件の被保険者が育児休業期間中(最長1歳6ヵ月)に育児休業開始前の賃金日額の30%を受給できる制度。

 

2.育児休業者職場復帰金給付金(雇用保険)
 1の給付金を受給した被保険者が育児休業終了後、引き続き同事業所に6ヵ月間雇用された場合に一時金が支給される制度。支給額は1の給付金が支給された期間に対して育児休業開始前の賃金日額の10%。

 

3.社会保険料免除(健康保険・厚生年金保険)
 育児休業期間中(最長3歳)の事業主・被保険者両方の社会保険料負担を免除する制度。免除期間中も健康保険は通常通り利用できます。

 

4.社会保険料改定の特例(健康保険・厚生年金保険)
 育児休業期間終了後に育児等の理由で給与が低下した場合に標準報酬月額の変更ができる制度。標準報酬月額を見直すことで保険料負担が軽減されます。

 

5.従前標準報酬月額みなし措置(厚生年金)
 3歳未満の子を養育する期間に標準報酬月額が低下した場合、将来の年金額が低下をしないよう年金額の計算においては養育期間の従前の標準報酬月額にて計算を行う制度。

 

6.住民税の猶予措置
 育児休業期間中(最長1年)に住民税の納税が困難である場合、住民税の徴収が猶予される制度。復帰後に延滞金は2分の1相当額が免除され、地方公共団体の長の判断により全額を免除することもできます。

 

 国としては育児を行う労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるよう支援することによって、その福祉を増進するとともに、あわせて我が国の経済及び社会の発展に資することを目的とし、このような各種制度を整えています。こうした制度を上手に活用し、育児と仕事の両立を進めて頂きたいと思います。

 

 詳細については、各種機関に問い合わせください。

  雇用保険:ハローワーク東京労働局

  健康保険・厚生年金保険:社会保険事務所
  住民税:各市区町村

 

(宮武貴美)