マクドナルドが新労働時間管理方法に関するニュースリリースを発表

 先日、当blogでもお伝えしたマクドナルドに対する労働基準監督署の是正勧告およびその対応の件ですが、日本マクドナルドホールディングスより、「アルバイトスタッフ・社員の給与ならびに新勤務時間管理方法の導入について」というニュースリリースが発表されていますのでご紹介したいと思います。内容としては、従来はアルバイトスタッフの賃金および社員の所定外手当について、その算定基準となる日々の勤務時間を30分単位で丸めて計算してた方式を改め、1分単位(実時間)で勤務時間を算出する方式を導入することになったというものです。
http://www.mcd-holdings.co.jp/news/2005/release-050801.html

 

 これまでも多くの有名企業で同様の時間外手当の未払事件があり、新聞紙上を賑わせましたが、今回は各労働日の端数処理という、多くの事業所で普通に行われている処理についての指摘だけに、その実務に与える影響はこれまでと比較にならない程、大きなものとなるでしょう。事実、このニュースが報道されて以来、当社にも多くの問い合わせが入っていますが、まずは1分単位での労働時間の把握・計算という原則論で制度運用した場合の影響(業務量の増加、コストの増加、コンプライアンス)について検証されることをお勧めしています。タイムカードやパソコンによる給与計算システムが普及している現状においては、業務負担という点でかつてのように端数処理を行う必要性は少なくなっているはずです。また30分未満切捨てというような取り扱いが行われている事業所では現場サイドで、時間の調整(30分に満たない端数時間発生時のタイムカード打刻時刻調整など)が事実上行われていることが少なくありません。こういった状況を勘案すれば、今回のマクドナルドのような実時間での管理も十分に可能ではないかと考えています。

 

 非常に良い機会だと思いますので、労働時間管理方法の見直し検討をお勧めしたいと思います。

 

(大津章敬)